自民、公明の両党は29日、公的年金保険料の納付記録が正しく年金額に反映されない年金記録漏れ問題について、年金額が本来より少ないことが確認された場合は、過去の不足分を全額補償することを柱とした救済法案「年金時効撤廃特例法案」を国会に提出した。
今国会で成立させ、成立後、すみやかに施行する方針だ。
現行制度では、社会保険庁のミスなどで受け取っている年金が本来より少ないことがわかっても、国が補償するのは過去5年分の不足分だけだ。それ以前は「時効」となり、補償されない。
同法案は、こうした5年の時効を、年金に関しては適用しないという内容だ。
与党が全額補償に踏み切ったのは、国会審議などで約5000万件もの納付記録が該当者不明で放置されていることが判明し、社保庁のずさんな記録管理が、記録漏れの原因であることが確実となったためだ。
全額補償は、同法案の成立前も含めて、年金が本来より少ないとして訂正された年金受給者すべてが対象となる。
これ以外にも同法案は、〈1〉保険料の納付期間が25年に満たない無年金者だったが、記録漏れが見つかり25年を超えれば全額補償する〈2〉受給者が死亡後に、記録漏れが判明しても、生前の不足分を全額、遺族に補償するだけでなく、遺族年金も生前の年金額の訂正に見合った額に増額する――としている。
また、法案は、政府に対し「年金個人情報を正確な内容とするよう万全の措置を講じる」とする、責務を盛り込んだ。この規定に基づき政府・与党は、約5000万件の記録の全件調査を2年程度で実施する方針だ。(読売)
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国民が不信を招かぬように、速やかに万全の処置を取ってほしい。