かいふう

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臍帯血(さいたいけつ)から骨を作る、東大医科研が成功。

赤ちゃんのへその緒や胎盤にある臍帯血(さいたいけつ)から、様々な細胞に育つ可能性がある幹細胞を高い確率で取り出し、軟骨や骨を作ることに、東大医科学研究所細胞プロセッシング研究部門(高橋恒夫客員教授)が成功した。

高齢化とともに、寝たきりの原因になる骨折や、ひざが痛む変形性ひざ関節症などの患者が増えており、骨や関節を再生する治療につながると期待される。

臍帯血から幹細胞を取り出したとの報告はこれまでにもあるが、実際に採取するのは極めて困難だった。軟骨細胞は骨髄や脂肪組織の幹細胞からも作れるが、臍帯血の幹細胞は、直径で骨髄の2倍近く、脂肪細胞の10倍以上大きく成長した。張助手らは「臍帯血の幹細胞は、軟骨や骨の細胞になりやすいことを確認した」としている。

幹細胞などから、失われた組織や臓器を作る再生医療の研究が進んでいる。幹細胞を骨髄から採取するのは、体に大きな負担がかかるのに対し、臍帯血は、これまで廃棄してきたものを活用する利点がある。また、受精卵から作られる万能細胞のES細胞と異なり、倫理的な問題も生じない。(読売)