政府は9日午前の閣議で、昨年10月の北朝鮮の核実験を受けて実施している北朝鮮制裁措置を半年間延長することを決めた。
一部制裁措置の期限が13日に切れることに伴う措置だ。
福田首相は対北朝鮮外交で対話重視の姿勢を示しているが、拉致問題については具体的な進展が見られないことから、制裁の継続が必要と判断した。
延長する制裁は、<1>貨客船「万景峰号」など北朝鮮籍船の入港の全面禁止<2>北朝鮮からの輸入の全面禁止――の二つ。今年4月の延長に続く再延長となる。また、閣議決定を必要としない北朝鮮籍保有者の入国原則禁止や、北朝鮮への「ぜいたく品」の輸出禁止なども継続する。
政府は9月上旬にモンゴルで開かれた「日朝国交正常化作業部会」で、日朝間の協議を今後も頻繁に行うことで合意しており、今後、北朝鮮側の具体的な対応を注視する構えだ。
ただ、北朝鮮の金正日総書記は先の南北首脳会談で「日本人拉致被害者はもういない」と発言したとされ、政府内では、北朝鮮は「拉致問題は解決済み」とする従来の立場を変えていないとの見方が強い。(読売)