【パリ=林博英】欧州歴訪中の安倍首相は12日夜(日本時間13日未明)、パリの仏大統領府でシラク大統領と会談し、国連安全保障理事会の改革と北朝鮮の核、拉致問題で日仏両国が連携を強化することで一致した。
安保理改革について、首相は「主要国の考えを聞き、柔軟に具体案を検討したい。密接に話し合いを続けたい」と述べ、日本、ドイツなど4か国グループ(G4)の安保理改革案に代わる新たな改革案の作成に向けて協力を要請した。
大統領は「日本のいない安保理はバカげている。常任理事国入りを強く支持する。改革案について話し合っていきたい」と応じた。
北朝鮮問題で、首相は、「北朝鮮への国際的圧力が必要で、各国が安保理決議に基づく具体的な(制裁)措置を実行することが大変重要だ」と強調した。大統領は「核問題では中国が果たす役割が大きい。拉致問題では、日本と完全に思いと怒りを共有し、解決に全面的に協力していく」と明言した。
欧州連合(EU)の対中武器禁輸措置の解除問題では、首相は解除に反対する立場を伝えた。大統領は「日中が良好な関係を持つことが重要だ」などと述べるにとどめた。
シラク大統領は従来、禁輸解除に前向きで、2005年3月の来日時の日仏首脳会談でも、「中国が解除を主張するのは正当だ」と述べていた。(2007年1月13日読売新聞)