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それ、デモエピ?中国四川省でM8・0の強い地震。番外編

kaihuuinternet2008-05-12

【都江堰(中国四川省)=竹内誠一郎、北京=佐伯聡士】中国国営新華社通信は13日、中国南西部の四川省ブン川(せん)県で発生した地震の死者が1万人に迫っていると伝えた。(ブンはサンズイに「文」)

同通信が同日午前、民政省のまとめとして報じたところによると、四川、甘粛、陝西、雲南、山西、貴州、湖北の各省、重慶市の8省・直轄市で、家屋の倒壊などによる死者が計9219人、倒壊家屋が50万戸余りに達している。最も被害が大きかった四川省では、学校の倒壊による生徒らの生き埋めが相次いでおり、救出作業が進むにつれて犠牲者はさらに膨らむ可能性が出てきた。

胡錦濤共産党総書記(国家主席)は12日夜、政治局常務委員会議を開き、地震の損失を最低限にとどめるよう最大の努力を払うことを決めた。温家宝首相をトップとする地震対策救援総指揮部を発足させ、温首相が12日夜から、震源地に近い四川省都江堰(とこうえん)市に乗り込み、陣頭指揮をとっている。すでに2万人近い兵士と武装警官が救援活動を展開しているほか、さらに、兵士2万4000人を被災地に空輸するなど、国を挙げての救援活動が本格化してきた。

新華社電によると、死者は四川省で8993人、甘粛省で189人、重慶市で8人となっている。被害の大きかった四川省北川チャン族自治県の中心部では、80%の建物が倒壊、周辺では大規模な山崩れが起きた。住民1万人中4000人が危険な状態を脱したが、その他は行方不明のままだ。同県にある中学校では、6階〜7階建ての建物が倒壊し、がれきの下に、教員と生徒少なくとも1000人が生き埋めとなっている。震源地周辺の負傷者は7000人近いという。

国営中央テレビは13日朝、四川省雅安市発で、家屋の倒壊などにより5万人が帰宅できない状態にあると伝えた。道路、水道、ガスのライフラインが各地で寸断され、被害を受けた学校は492か所に上っている。

新華社電などによると、四川省の被災地には九寨溝など観光地が多いが、13日午前現在、外国人が死傷したとの報告はない。ただ、13日午前現在、地震の起きた同省アバチベット族チャン族自治州内に、英国の団体観光客約15人を含む観光客2000人余りが取り残され、安否が確認できない状態にあるという。

12日深夜には、甘粛省で鉄道のレールが変形したことから、ガソリンなどを積んだ貨物列車が脱線し、炎上する事故が発生している。

一方、閉鎖されていた成都空港は13日再開された。(2008年5月13日読売)
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中国の地震に詳しい石川有三・気象庁地磁気観測所長によると、今回の地震が起きた四川省から雲南省にかけての一帯は「南北地震帯」と呼ばれ、1970年代には、M7級の地震が数年ごとに発生、それ以降もたびたびM6級の地震が発生している。最近では同地震帯に位置する雲南省で昨年6月、M6・4の地震が起きていた。

中国側のユーラシアプレート(板状の岩盤)に、インド側のインド・オーストラリアプレートが南からぶつかり、東西に延びるヒマラヤ山脈に連なる山岳地帯を形成している。

石川所長は「このぶつかり合いの過程で、行き場がなくなった地下の岩盤が東側に押し出され、南北地震帯にはひずみがたまっている。これを解消しようとして今回の地震が起きたのだろう。過去には大地震の直後に、近接地で大地震が起きたこともあり、警戒が必要」と話している。(科学部 米山粛彦)(読売)
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中国四川省で発生した地震で、家屋、ビルが倒壊し多数の犠牲者がでたのは、想定を上回る巨大な直下型地震だったことに加え、最近、地方都市も発展する中国急成長の陰で、十分な地震対策がとられていなかったことが背景にあると専門家は分析する。

東京大学地震研究所の壁谷沢寿海(かべやさわとしみ)教授(耐震工学)は、倒壊した鉄筋コンクリートのビルの映像を見て「柱とはりの接合が弱く、揺れによって外れやすい構造をしていたためだろう。壁もコンクリートブロックやレンガを積み重ねた作りで、もろい」と語る。

中国各地で地震対策の調査を行った神戸大の大西一嘉(かずよし)・准教授(都市防災)は「中国の農村部はレンガなどを積んだ、手作りの家屋が多く、強い揺れによって壁全体が倒壊した可能性がある。一般家庭も日本の震度で4〜5弱の地震に耐えることを求められているが、十分ではない」と指摘する。

中国出身の小鹿健平・アジア防災センター主任研究員によると、中国では1976年に約24万人の死者が出た唐山地震(河北省、M7・8)の発生を機に、国家地震局が、建築物の耐震基準を設けた。多発する地震の教訓を受け、地域ごとに最大級地震を予測し、コンクリート、木造など構造別に基準を定めた。

しかし、土木学会前会長で、成都の大学とも交流がある浜田政則早稲田大教授は「急速な地方の発展の陰で耐震性がなおざりにされた可能性がある。チェック体制も不十分」と分析する。(読売)
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1976年に約24万人の死者が出た唐山地震(河北省、M7・8)は、記憶にある。
あれから、30年経ったんだ。

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後日、中国の発表では、M8・0と訂正された。