かいふう

近未来への展望や、如何に。

熊本地震から、2年。4月16日。数日間に2度の大地震という事。1-2

震源分布

最大震度7に2度も襲われ、震災関連死を含め267人が犠牲になった熊本地震から14日で2年。
 いじめ受けた時期も寄り添ってくれた 。熊本県益城(ましき)町の自宅が倒壊し、河添由実さん(当時28歳)は亡くなった。「由実さんのことを思い出そうとすると涙が止まらなくなり、話せなくなる」。女性はメールで取材に応じてくれた。由実さんとは中学時代は3年間、ともに吹奏楽部で帰り道もいつも一緒。 同じ高校へ進学したが、女性は1年生の時にクラスでいじめに遭った。2年からは同じクラスになり、いじめもなくなった。 卒業後も一緒に旅行に出た。東京では由実さんが大好きだったアイドルのグッズを買うため一緒に5〜6時間並んだこともあった。「由実さんは人見知りでシャイだけれど、優しい人でした」。 「由実の高校時代のことは全然知らなかった。優しい子だったと分かって本当にうれしい」。女性の話を知り、母登志子さん(58)がほほ笑んだ。
2016年4月15日夜、余震を恐れて登志子さんはトラックの荷台で寝たが、自宅1階に寝ていた由実さんだけが本震で命を奪われた。登志子さんが自宅に水を飲みにいった直後の激震だった。 「なぜその時起こしてやれなかったのか。少し遅ければ一緒に死ねたのに」。そんな妻を見かね、夫敏明さん(63)は長男将之さん(34)と相談し、登志子さんを病院に連れて行った。薬をもらい、今は落ち着いた。 夫婦で話し合い、由実さんの遺骨も今年のお盆には納骨。「これ以上由実には心配かけられない。天国から怒られてしまうから」と登志子さん。【佐野格】(毎日)
 夫の転院なければ。 熊本県甲佐(こうさ)町の赤星文子さん(79)は、地震で転院を余儀なくされ、1カ月後に亡くなった夫一郎さん(享年83)の死を悔やむ。 一郎さんは当時、誤嚥(ごえん)性肺炎で町内の病院に入院。病院は2016年4月14日の前震では大きな損害がなかったが、16日の本震で内壁に亀裂が入り、安全を考えて入院患者は転院。一郎さんは約50キロ離れた熊本県芦北町の病院に移ったが、本震約1カ月後の5月17日に胃から出血し、5日後に亡くなった。2人の子供と、孫にも恵まれた。 穏やかな暮らしを2度の大きな地震が変えた。 夫の死に地震が関係しているのか。不認定だった。転院先で一時的に体調が良くなったことで認められなかった。 審査結果に不服を申し立てるつもりはない。「一郎さんに寂しい思いをさせてしまった」 熊本地震の震災関連死の認定申請は3月末現在で、熊本、大分両県で650件。認定・不認定の審査が終わった577件中、63%の365件が不認定だった。関連死と認定されれば、死者が生計維持者の場合、500万円の災害弔慰金が遺族に支給される。【中里顕】】(毎日)