在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の傘下団体「在日本朝鮮人科学技術協会(科協)」の幹部を夫に持つ在日朝鮮人の女(74)が、東京都内の男性医師(59)から無許可で医薬品を譲り受けた疑いがあるとして、警視庁公安部は27日、薬事法違反容疑で、朝鮮総連東京都本部(文京区)などの捜索に乗り出した。
女は今年5月、譲渡された医薬品のほか、放射能の被曝(ひばく)治療にも使われる大量のアンプル薬を申告しないまま、「万景峰(マンギョンボン)92」号で北朝鮮に持ち出そうとして差し止められており、公安部は、核開発技術者向けの治療に使おうとした可能性もあるとみて調べている。
ほかに捜索を受けているのは、女の自宅や男性医師が勤務する世田谷区内の医院、新潟市内の朝鮮総連関連施設など6か所。
調べによると、男性医師は今年5月ごろ、在日朝鮮人の女から依頼を受け、体力の落ちた患者の栄養補給に使われる輸液パック60袋を、無許可で譲り渡した疑い。
女は同月、朝鮮総連東京都本部が実施した「祖国訪問事業」に参加し、「万景峰92」号で北朝鮮に渡航しようとした際、衣類などの手荷物を詰めた段ボール箱に、これらの輸液パックを紛れ込ませていた。この段ボール箱には、肝臓の炎症を抑え、肝がんなどの進行を遅らせるアンプル薬120本も入っており、税関当局では、いずれも無申告で輸出しようとしたとして、持ち出しを差し止めた。
輸液パックの主成分はアミノ酸で、医療現場では、手術を受けた患者の体力を回復させる点滴などに使われており、アンプル薬は、放射能の影響を最も受けやすい肝臓の治療に利用されている。
女の夫は、公安部が昨年10月、別の薬事法違反事件で押収した科協の名簿に、幹部にあたる「理事」として記載されている。(2006年11月27日読売新聞)
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法治国家における、れっきとした違反容疑です。