かいふう

近未来への展望や、如何に。

地震列島.その7。

kaihuuinternet2006-12-19

政府の地震調査委員会は18日、山梨県甲府盆地南側にある曽根丘陵断層帯と、熊本県南部の人吉盆地南縁断層で、それぞれ発生が予想される地震の長期評価を公表した。

曽根丘陵断層帯(全長約32キロ)でマグニチュード(M)7・3程度の地震が今後30年以内に起きる確率は1%で、国内の活断層のなかでは「やや高いグループ」に属する。

この地震が発生すると、断層に近い甲府盆地の一部で震度6強以上の揺れに見舞われる可能性があるほか、山梨県のほぼ全域で震度6弱震度5弱、神奈川県西部、静岡県東部などでも震度5弱の揺れが予想される。

一方、人吉盆地南縁断層(全長約22キロ)での30年以内の発生確率は、1%以下。M7・1程度の規模の地震で、人吉盆地では震度6弱の揺れが予想され、熊本や宮崎、鹿児島県の一部で震度5弱の揺れもありうる。(2006年12月19日読売新聞)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
畿の広い範囲が阪神大震災クラスの揺れに見舞われる恐れがある――。7日、政府の中央防災会議専門調査会が発表した「震度分布図」は、近畿での直下型地震の脅威を改めて浮き彫りにした。従来の震度予測を上回る地域があったほか、大規模地震の府県境をまたぐ震度分布が初めて明確になり、自治体間の連携について、議論を深める材料になりそうだ。

大阪都心部を南北に貫く上町断層帯。「中心部の一部で震度7大阪平野のほとんどで震度6強」との分析に、大阪府の危機管理室の担当者は「死者数などは従来の想定を上回る可能性もある」という。

府と大阪市は2002〜04年度に府内の地盤を詳細に調査し、今年10月、「府域の2割が震度7〜6強の揺れとなり、1万2700人の犠牲者が出る」との被害想定を策定したばかり。

府、市の担当者は「今回の調査を精査し、新たな対応の必要があるかどうか検討したい」としている。

阪神大震災後の1996年に防災計画を修正した際、六甲・淡路島断層帯などによる地震を「神戸、阪神間震度7」とみて対策を進めており、県防災計画課は「地震がどこでも起きるという意識を高める材料にしたい」とする。

最大震度7の揺れを引き起こす花折断層帯など、活断層が集中する京都府は、防災室の職員を調査会に派遣し、情報収集にあたった。

昨年度から、14の活断層震源とする地震について市町村単位で震度や死傷者数、建物被害などをシミュレーション中で、担当者は「精度が高い予測で、分析に生かしたい」と話した。

また、すでに独自の被害想定などをまとめている奈良や滋賀、和歌山の各県は「想定の範囲内」と冷静に受け止める一方、「近畿圏という広域での震度分布が明らかになったことは、他府県と連携を考えるうえで参考になる」(奈良県防災統括室)としており、今後、調査会がまとめる被害想定に関心を寄せている。(2006年12月08日読売新聞)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
政府の中央防災会議の「東南海、南海地震等に関する専門調査会」(座長=土岐憲三・立命館大教授)は7日、近畿、中部地方直下で大地震が起きた際の揺れの激しさを精密に示す「震度分布図」を初めて公表した。近い将来起こりうる41の地震を検討。近畿地方では、京阪神の大都市のほとんどで震度7〜6強の揺れに襲われる恐れがあり、大きな被害が予想される。今後、調査会は死者数や建物などの被害想定をまとめ、同会議で防災対策を盛り込んだ大綱を作成する。

対象はマグニチュード(M)7以上で、今後100年以内に発生の可能性がある活断層による39の地震。さらに、どこでも地震は起こることを考慮して阪神間名古屋市に未知の断層(M6・9)をそれぞれ一つ想定し、計41地震について分析した。断層面の形状や地盤の構造などから地震動の伝わり方を計算、1キロ四方の区画ごとの揺れ方を調べた。

このうち、大阪都心部直下を南北に走る上町断層帯や近郊の生駒断層帯など、大都市や工業地帯への影響が大きいと予想されるものを、応急対策が必要な13地震(うち近畿は8)として選んだ。

近畿で最も大きな被害が予想される上町断層帯地震(M7・6)では、大阪市大阪府東大阪市大東市堺市など14市で震度7の地域があり、大阪平野の大半が6強だった。生駒断層帯(M7・5)でも京都盆地南部の木津川沿いや奈良盆地の一部が震度7となり、大阪、京都、奈良の広い範囲で震度6強の揺れが予想された。

今回、“未知の断層”として新たに想定した阪神間の断層(兵庫県西宮市〜大阪市北部)は、淀川周辺が6強で、兵庫県東部から北摂泉州にかけて広範囲にわたり6弱以上が現れた。

耐震補強や防災対策に役立てるため、想定したこれらの全地震に、東南海、南海地震の震度分布を重ね合わせて、それぞれの地点で考えられる最大の揺れを示した「予防対策用震度分布図」も作製した。

例えば、図上で震度7と示された地域の場合、地震によっては、それだけの揺れが起きる恐れがあるというもの。近畿は、大阪府のほぼ全域や神戸市の平野部で震度6強となるなど、大きく揺れる可能性のある地域が多い。

大阪湾断層帯地震(M7・5)が発生した場合の津波も分析。最大で大阪府中南部の海岸で2メートル以上、関西国際空港で約5メートル。

西日本では、東南海、南海地震というM8級の巨大地震の前は、地震活動が活発になることが知られている。土岐座長は「すでに近畿、中部地域での活動期は始まっている。防災に残された時間は多くはないと考えてほしい」としている。

震度分布図は中央防災会議のホームページ(http://www.bousai.go.jp/jishin/chubou/)で公開している。