かいふう

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「トンネルじん肺訴訟」、和解に合意。

kaihuuinternet2007-06-18

国発注のトンネル工事現場で働き、じん肺にかかった患者ら969人が、国に1人当たり330万円の損害賠償を求めて全国11地裁に起こした「トンネルじん肺訴訟」で、原告側と国の双方が18日午後、合意書の調印式を行い、正式に和解に合意した。

調印式には「全国トンネルじん肺根絶原告団」の船山友衛団長(73)と弁護団のほか、厚生労働、国土交通、農林水産省と、防衛施設庁の関係4省庁の幹部が出席。自民党じん肺議員連盟事務局長の萩原誠司衆院議員が、合意書を読み上げた後に調印した。

船山団長が「今後はじん肺根絶のために知恵を出し合いましょう」と呼びかけ、厚労省青木豊・労働基準局長が「じん肺の防止措置を検討して参ります」などと応じた。

調印式後、同省内で記者会見した船山団長は、「合意書の中身は意義深く、満足した形になった」と笑顔を見せた。合意書には、じん肺対策に不可欠と位置づけてきた「粉じん濃度の測定義務化」に道を開く内容は盛り込まれたが、原告側が求めてきた、国が法的責任を認めて謝罪する言葉は反映されなかった。

ただ、小野寺利孝・弁護団長は「直接的なおわびや謝罪の言葉はないが、国が誠意を持って対応したことを総合的に判断した」と合意を決めた理由を説明した。

一方、原告団に先立ち、記者会見した同省労働基準局の山越敬一・計画課長は「不作為はなかった」とし、改めて国の責任は否定した。(読売)