米地質調査所などの研究チームは、米西海岸で大地震を度々起こしているサンアンドレアス断層の地下約3・2キロから、ボーリング(掘削)調査で、断層部の岩石試料を採取することに成功したと発表した。
同断層は北米プレートと太平洋プレートの境界で、プレート境界から試料を採取したのは世界初という。
研究チームは2004年、サンフランシスコとロサンゼルスの中間にある地震頻発地域で掘削を始めた。先月、地下4キロまで到達し、合計41メートルにわたる直径10センチの柱状試料を採取した。岩盤同士が激しくこすれ合う断層面の状態を直接観察するほか、地下4キロの穴に地震計を置き、今後10〜20年間にわたって小地震を観測、地震発生過程の解明を目指す。研究チームは「試料は、月の石と同じくらいの高い学術的価値がある」としている。
日本でも、海洋研究開発機構が中心となって、紀伊半島沖の東南海地震の想定震源域周辺で、海底下6キロメートルまで掘り進み、プレート境界の試料を採取する予定だ。プレートの下に、別のプレートが入り込む「沈み込み帯」の境界を掘削するのは世界初となる。(読売)
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ハイチを襲った地震は、阪神大震災と同様に活断層が起こした内陸直下地震とみられ、震源が浅いために地表に激烈な揺れをもたらした点も似ている。
山中佳子・名古屋大准教授は、国際的な観測網の地震計記録を基に断層が破壊した領域を推定し、カリブ海周辺で起きた過去の地震と比較。今回の震源域は、1751年〜70年に規模の大きな地震が数回発生した領域と、東西にほぼ一直線上に並んでいることがわかった。
いずれも東西に延びる横ずれ断層の運動による地震とみられる。18世紀の地震後は大地震はなく、山中准教授は「再び活動期に入ったかもしれない。十分な警戒が必要だ」と指摘する。
米地質調査所の解析によると、ハイチの地震は、断層の岩盤が左右にずれる「横ずれ型」で、阪神大震災と同じタイプ。震源の深さは約13キロで、阪神大震災(約15キロ)と同じく浅い直下地震だった。ともに岩盤がずれ動いた場所のすぐ近くに人口密集地があったため、被害が拡大したとみられる。(2010年1月15日読売)