かいふう

近未来への展望や、如何に。

G7、「サブプライムローン」も共同声明。

【ワシントン=是枝智】先進7か国財務相中央銀行総裁会議G7)は19日夜(日本時間20日朝)、共同声明を採択し、閉幕した。

声明では、米低所得者向け住宅融資「サブプライムローン」の焦げ付き問題に端を発した国際金融市場の混乱などが「成長を減速させるだろう」との認識を示し、前回の強気の景気認識を大きく下方修正した。金融市場の混乱については「今後しばらく注視が必要」と指摘した。混乱への対応では、「要因を十分に分析する必要がある」として、各国の金融当局者らに対し、詳しく分析し、その結果を次回以降のG7に報告するよう求めた。

共同声明は、世界経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)を「引き続き力強い」と分析している。額賀財務相も会議後の記者会見で「今度の危機を乗り切っていけるとの認識は共有された」と強調した。

ただ、前回4月の共同声明にあった「過去30年超で最も力強い持続的拡大を経験している」との文言は削除された。代わりに減速要因として、金融市場の混乱のほか、原油価格の高騰、米住宅部門の弱さを列挙した。

市場安定化に向けては、各国の金融当局者らで作る金融安定化フォーラムに対し、金融市場の混乱の背景にある要因を分析するよう求めた。同フォーラムは次回G7までに、証券化商品などの価格評価や会計処理、格付け会社の格付け手法のあり方など、金融機関に対する監督の基本原則を提案する。

一方、為替相場に関しては、過度の変動は望ましくないとする前回の表現を踏襲した。ただ、中国通貨・人民元に対して、中国の経済成長を反映した為替レートに上昇するよう変動幅を拡大することを求め、従来より強い表現で改革を促した。

会合では、中国や中東など、国家の外貨準備やオイルマネーを元に世界に投資する政府系の投資ファンドSWF)を巡っても初の本格的な議論を行った。

共同声明では「SWFは国際金融システムの重要な参加者」と位置づけたうえで、組織構造や透明性、説明責任などの面でルール作りが必要と指摘した。G7後には中国やアラブ首長国連邦(UAE)などの関係者を呼び、SWFのあり方を検討した。(読売)