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厚生労働省は、仙台、大阪高裁判決に上告を断念。

kaihuuinternet2008-06-05

原爆症認定集団訴訟で、国に原告を原爆症と認めるよう命じた仙台、大阪高裁判決について、厚生労働省は5日、いずれも上告を断念する方針を固めた。

ただ、原告側が求める他の地裁・高裁で係争中の人も含めた原告全員の認定につながるものではなく、今回の上告断念が集団訴訟の全面解決には直結しない見通し。

原告側がこれに反発し、両判決で退けられた損害賠償請求を巡り上告する可能性があるため、両判決が確定するかどうかは不透明だ。

厚労省は、両判決はいずれも事実認定についての判断であり、上告理由がないと判断したと見られる。

厚労省は今後、両高裁判決に従い、原告計11人のうち、4月から緩和された新基準に従い判決を待たずに認定した大阪の原告4人を除く7人についても認定する。大阪で2人が勝訴した甲状腺機能低下症については、同様の疾病により他の裁判所で係争中の原告10人前後も、認定に向け、原子爆弾被爆者医療分科会で個別審査する方針だ。

新基準の審査は、爆心地からの距離や滞在時間など一定の被爆状況と対象疾病の条件に合う人はほぼ自動的に認定し、それ以外は同分科会の個別審査で総合的に判断する2段階方式。甲状腺機能低下症は、がんなど新基準の対象5疾病に含まれず、原告側が対象に加えるよう求めてきた。しかし、厚労省は、基準改定ではなく、分科会の個別審査で対応すると見られる。(読売)