かいふう

近未来への展望や、如何に。

「うつ」での労災、認定される。

不本意な転勤後にうつ病になったとして、労災申請していた東京都内の化粧品製造会社の元社員の男性(38)について、太田労基署(群馬県太田市)が労災を認定していたことが30日わかった。

男性の代理人の弁護士は、「過労ではなく、不当な処遇によって発症したうつ病で、労災が認定される事例は珍しい」と話している。

代理人の説明によると、男性は2001年、東京にある本社の経理係長となったが、04年7月、約1週間後に群馬県内の工場に赴任するよう会社側から命じられた。

配属先では、部下から離れた出入り口近くの席に、窓に顔を向ける形で座らされ、座席の移動を要望しても受け入れられなかったという。毎月の賃金も11万円減額された。

男性はその後、激しい頭痛や腹痛、脱力感を覚え、うつ病と診断されて約1か月間入院。退院後に本社勤務を要望したが、「上司の許可なく一方的に休み、職場放棄した」として、解雇されたという。

男性は昨年4月に太田労基署に労災申請し、5月には解雇無効と損害賠償を求めて東京地裁に提訴。今月15日に、同労基署から労災認定された。

男性は「自分と同じような状況に追い込まれている人もいるはず。今回の認定が、苦しんでいる人たちの支えになればと思う」と話している。一方、会社側は「必要性のある転勤だった」としている。(2006年8月30日読売新聞)
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この窓は廊下に向いていて、決して木々や緑が見える開放感を与える配置ではなかった、そうだ。
会社都合でなく、あくまで本人からの退職を無言圧力掛けているようで、陰険だな。
職場というのは、大都会のコンクリート・ジャングルにしろ、地方の工場にしろ、各社員の意欲と併せて同僚との仲間意識がなければ、無味乾燥に陥る。それを経営者側が意識して隔離すれば、「うつ」病に移行しても、責任の所在はどちらか、判断は着く。
元社員の言にあるように、また彼の弁護士の言にもあるように、この地裁提訴からの労災認定は、その希少価値から、今後の基準見直しも含めて、日夜高層および大小ビルからはき出される、あるいは過疎の工場での孤独感に巻かれる、労働する会社員諸氏に、安堵感ある一陣の涼風を送った、とおもう。