かいふう

近未来への展望や、如何に。

緊急医療現場から。

kaihuuinternet2006-10-28

奈良県大淀町の町立大淀病院で出産時に意識不明になった妊婦が19病院で相次ぎ転院を断られ、死亡した問題で、このうち10病院は「ベッドが満床」という理由で受け入れを断っていたことがわかった。

ほとんどは、緊急で高度な産科医療を担うはずの拠点病院。医師不足や、中規模病院の産科からの撤退などの影響で、拠点病院に妊婦が集中し、肝心な時に受け入れが困難になる実態が背景にあった。

「『拒否』ではない。受け入れたくても、不可能なんだ」。ある病院の関係者は、苦渋の表情を浮かべる。

読売新聞の調べで判明した19病院は、奈良県内2か所と大阪府内が17か所だった。搬送要請を受けた時、満床か収容予定の患者が既に決まっていた病院は10か所。うち大阪市総合医療センターなど5病院は新生児集中治療室(NICU)が満床だった。

妊婦は大淀病院で、妊娠中毒症による「子癇(しかん)発作」と診断されており、同センターは「子癇では赤ちゃんも危ないケースが多く、NICUが空いていないと受け入れは難しい」と説明する。

5病院は、母親のためのベッドなどが満床だった。近畿大病院はNICUに空きはあったものの、出産用の母体ベッドは12床すべてが埋まっていた。

このほか、帝王切開の手術中で、対応できなかった病院が2か所。「麻酔科医が自宅待機しており、すぐに対応できない」と断った病院もあった。(2006年10月28日読売新聞)
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ネット検索で探すと、奈良県内救急は、県立奈良病院、県立医大付属病院、近畿大医学部奈良病院、が産・婦人科も備えた医療施設で、3ヵ所である。
この件に限れば、新生児集中治療室(NICU)の空きを指摘しているので、対称条件が極限られた訳だけれども。
それにしても、近畿大病院はNICUに空きはあった、のだから、出産用の母体ベッドの緊急確保、という手立ては考えられないのだろうか。やはり専用ベッドだから、簡易即組み立ては不可能なのだろう。
最近、この手のTVドラマは観てないのでわからぬが、母体ベッドの緊急確保を誰かがやってみますという展開が続けば、と悔やむのみである。医療従事者からは怒られるだろうが。
掲載は、宇治徳洲会病院NICU。