かいふう

近未来への展望や、如何に。

「セコム」の、1歳女児が死亡した事故。

横浜市旭区の市道で11月、トラックに積まれた重機が「高さ4メートル50以上」と定めた市の道路占用許可基準より低い電線に引っかかって街路灯を折り、直撃を受けた1歳女児が死亡した事故で、電線を設置した警備会社「セコム」(東京都渋谷区)が26日、会見し、許可基準が記載された書類を横浜市から受け取りながら、工事会社に渡していなかったことを明らかにした。

原口兼正社長は「事故の責任は、許可基準を満たさなかったセコムにある」と述べ、「ご遺族に申し訳ない。出来る限りの償いをしたい」と謝罪した。

セコムの説明によると、社員が2000年9月、街路灯に取り付けた防犯カメラの映像を送信するための電線の設置を、横浜市旭土木事務所に申請。許可を受けた際、社員は電線の高さ基準などが書かれた書類を受け取ったが、電線設置を担当する関連会社の「セコムテクノサービス」(東京都中野区)に書類を渡さず、「セコムテクノサービス」も書類がないまま、下請け会社に工事をさせていた。

原口社長は「公道を横切る電線の設置は実績が少なく、社員も不慣れだった。社員は許可を取ることにしか思いが至らなかった」と述べた。

一方、セコムは女児死亡事故後、公道上の電線を設置した全国50か所を調査していた。神奈川県の学校施設と石川県の工場施設でそれぞれ、各自治体の基準より低い電線が見つかり、是正するとしている。(2006年12月26日読売新聞)
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横浜市市道でトラックに積まれた重機が市の基準より低い電線に引っかかって街路灯を折り、直撃を受けた1歳女児が死亡した事故で、市が地元商店街に出していた電線の道路占用許可の期限が2005年3月末で切れていたことが27日、わかった。

無許可の占用が続いていたことになり、市は「更新手続きの催促をしておらず、確認が不十分だった」と不手際を認めた。

市道路局などによると、同市旭区の二俣川座商店街振興組合は00年9月、街路灯に防犯カメラを設置するため、市旭土木事務所に電線の道路占用許可を申請。土木事務所は05年3月末までの期限で許可を出した。施工は、警備会社「セコム」(東京都渋谷区)が担当した。

旭土木事務所は許可期限が切れる前の05年2月ごろ、振興組合に占用許可を更新するかどうかを尋ねるはがきを出したが、商店街側からは返答がなかったという。このため、期限切れとなり、事故までの1年8か月間は放置された。

更新時は書類審査や現地調査などは行わず、申請があれば許可期間を延長しているという。申請者からの返答がない場合は更新を催促するか、撤去を求めるなど何らかの措置を取る必要があった。振興組合は「更新するかどうかを尋ねるはがきは受け取っていない」としている。(2006年12月27日読売新聞)
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被害犠牲者が、無防備無抵抗の乳児、ということだ。こういう事故は、脱力が先に来る。
家族や祖父母、医師と看護師たち、そして近所の人たち。みんなから祝福され笑顔に囲まれて生を授けられしが、事故原因が、大人の過失。それが複数重なって、起きた。あと数十センチ高くしていたら。あと数十センチ幅離れてトラックが走行していたら。
毎度毎度わかっているが、後を絶たない。犠牲者本人には絶対なりたくない、からこうして記述してでも、残す。できることは、そんな事ぐらいさ。

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7月10日某紙面に、事故車両に積載が重機のアーム、あと5センチの間隔が読み取れた。責任者は下見したにもかかわらず、当日アームを曲げることが不安定で、それでも運転者に指示を出した。両者共、禁固刑だが、執行猶予付き。刑量が妥当か、わからない。乳児が死亡事故で、こういう裁きがあった、という記憶が残るだけだ。その女児の名を、できる事なら、それに留めよう。

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技術統括常務挨拶 2007/03/17 15:02
http://www.secom.co.jp/tec/word.html

研究開発担当常務取締役よりご挨拶

誰もしていないことをする、どこにもないものを創造し、世に送り出す。これだけで大きなアドバンテージがつくれます。ビジネスとして、セコムはこれをとても重要なことだと考えています。だから私は、開発者として“まだ誰もしていない失敗”にも果敢に挑んでほしい。成功はいずれだれもが称えるでしょう。反面、失敗の公表にはみな躊躇します。そのためらいが、つねに加速していきたい企業の、かけがえのないスピードを失わせることになるのです。もしかしたら同じ過ちが、どこかの部署で同時進行しているかもしれない。それに、失敗を恐れる人に挑戦などできるはずもないのです。私自身、開発者として多くの失敗がありました。しかし、その経験があるからこそ、その後のそれ以上の成功を導くことができた、と確信しています。

セコムの開発センターには、いままでの膨大な失敗事例がストックされています。道なき道を歩んだチャレンジャーたちの、かけがえのない敗北の記録ともいえるものです。失敗も会社にとっては経験値のひとつ。そんなふうに頭を切り替えて、新しい発想に向かうほうがはるかに生産的です。それから、誰にでもわかるものを考えることも重要。あれもこれもと詰め込むのは、発想の素性の良さをぼやかせてしまいます。シンプルなアイデアは、その単純さゆえに、容易に追従できないもの。技術力は大事ですが、むしろサービスにうまく機能が隠されているようなもののほうがいい。そうしてニーズを先読みし、開発し、こちらから市場をつくってしまうこと。それが社会システム産業の構築を目指すセコムの開発スタイルなのです。

セコムの開発のスパンは短い。6ヵ月、8ヵ月でどんどん具体的な形に仕上げていきます。たぶん、飽きるひまはないでしょうね。勉強も要求されます。でも、誰もしていないことをしたいなら、セコムはどこよりも、あなたを歓迎する企業なのです。

常務取締役
前田修司