かいふう

近未来への展望や、如何に。

インドに接近。

kaihuuinternet2007-01-10

政府は9日、核兵器保有するインドに対し、民生用原子力利用への協力として、日本企業が原子力発電所建設などに参入することを容認する方針を固めた。

具体的には、米国によるインドの民生用原子力利用支援やインドの核保有容認を盛り込んだ米印原子力協力協定への支持を表明することでこうした道を開く。核拡散防止条約(NPT)体制堅持を掲げてきた日本の不拡散政策の例外措置となる。

政府は、安倍首相の年内の訪印を調整している。インドと国際原子力機関IAEA)の査察に関する協議などを見極めながら、日印首脳会談で米印原子力協定に対する支持を表明する見通しだ。

NPT体制は、核保有国を米英仏中露の5か国に限定し、他の加盟国は核兵器保有をできず、民生用の原子力利用も兵器転用が行われないようIAEAの厳格な査察を定めている。核兵器保有しているインドはNPTに加盟していない。

政府はこれまで、民生用原子力利用への協力をNPT加盟国に限定してきた。インドへの協力が実現すれば例外となるだけではなくインドの核保有を事実上容認することにつながる。

政府は、唯一の被爆国としてインドの核実験に厳しい姿勢をとってきたが、経済発展が著しいインドとの関係強化を優先した。

また、政府は、インドが民主主義国家として政治体制が安定していることに加え、〈1〉核拡散の懸念がない〈2〉IAEAの査察受け入れを表明している〈3〉インドが経済発展に伴うエネルギー需要を原子力発電に切り替えることで温暖化防止につながる――と判断した。

さらに米国に加え、仏中両国もインドとの原子力協力に踏み切るなど、インドに対する各国の対応が変化してきたことも考慮した。

米印原子力協定は2006年3月に合意され、同年末に米議会で関連法案が可決、大統領が署名した。同協定の発効には、日本やフランスなど原子力供給国グループ(NSG)の規則改正が必要となるため、インドのシン首相は06年12月に来日した際、安倍首相に対し同協定への理解と支援を求めた。安倍首相は「日本の立場は検討中だ」と述べるにとどめていた。(2007年1月10日読売新聞)