かいふう

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特定失踪者問題調査会が記者会見。

1988年に鳥取県沖で漁に出たまま行方不明になった同県米子市出身の矢倉富康さん(当時36歳)に似た男性が、今年3月に北朝鮮で撮影された写真に写っていた問題で、特定失踪(しっそう)者問題調査会は21日、記者会見を開き、矢倉さんの父親とこの男性の声が「似ている」との鑑定結果を得たことを明らかにした。

この男性は、朝鮮中央放送委員会のラジオアナウンサー、慎範(シン・ボム)氏とされ、鑑定は、矢倉さんの父親の声と、日本向けのラジオ放送で慎氏が話している音声を対象に行われた。

調査会からの依頼を受け、東大先端科学技術研究センターの村岡輝雄客員研究員が「線形予測分析」という手法で音質を鑑定。その結果、「共通の甲高い部分があり、両者は似ている」との結果が得られたという。村岡研究員は「似た音質なら親族関係が推定される」としている。

慎氏とされる男性は、法人類学者の写真鑑定で、「矢倉さんの可能性が極めて高い」とされているだけに、調査会の荒木和博代表は「今回の音声鑑定の結果はかなり重要な意味を持つ。政府も調査を行うなど、真相解明に努めてほしい」としている。

矢倉さんは88年8月、鳥取県沖に一人で漁に出かけて行方不明になり、漁船だけが見つかった。船の左舷には、船同士が衝突したような青い塗料が付着しており、調査会は、北朝鮮による拉致の疑いが「濃厚」としている。(読売)