かいふう

近未来への展望や、如何に。

ある詩人兼評論家の、妻の死。

某紙で介護のケアノートという連載で、松永伍一さんが奥さんの介護の日々を載せていた。この連載も各界の方々のそれを、紙面に時々見ていた。
「底辺の美学」、このハードカバーの本を探せば、あるはずだ。なにか、農民の土を耕す風景とか、工場労働者の油汗とか、イメージが膨らんだ。その著者ということで、若い時に松永伍一さんの名を知った。詩人の文章はこういうものなのか、という感覚で残っていた。
それから、黒柳徹子さんの対談番組で、彼の書いた被爆情況の描写を黒柳さんが読んで涙声なので、彼は被爆者なのかな、とまでおもったが、それほど詩才ある文章なのだろうと、再確認したようなものだ。
ケアノートにも、詩人としての、平易ではあるが、簡潔な透明感が漂っている。単に読みやすいだけではない、品格なのだろう。そういう表題の著作もある。
老老介護か。夫が自分より若い妻を、そうするのも。対話を重ね、本人希望を適えて、家族共々闘う。
どの家庭にも、近い将来必ず来ることだ。