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「水俣病被害者芦北の会」、新救済策を受諾決定。

水俣病未認定患者の新たな救済策を巡り、未認定患者団体「水俣病被害者芦北の会」(事務局・熊本県津奈木町、約270人)は21日夜、津奈木町支部長会を開き、与党プロジェクトチーム(PT)から提示された一時金150万円、療養手当月額1万円を柱とする最終案の受け入れを決めた。

受諾決定は主要4団体で初めて。また最大の団体「水俣病出水の会」(同・鹿児島県出水市、約2900人)も受け入れに前向きな姿勢を見せており、約1万人を救済対象とした1995年の政治決着から12年を経て、救済問題は新たな段階を迎えた。

芦北の会の受諾により、新しい救済策の柱となる一時金と療養手当の金額が確定する見通し。

PTは、この最終案に基づき、国家賠償請求訴訟を起こしている「水俣病不知火患者会」(同・熊本県水俣市、約2000人)、「水俣病被害者互助会」(同、約150人)との交渉や、一時金の財源負担に難色を示す原因企業チッソの説得を進める。

ただ、訴訟を起こしている団体は訴訟取り下げを前提とした政治決着を拒否しており、PTが目指す全面解決は困難な状況だ。

芦北の会の支部長会では、村上喜治会長(58)が、PT座長の園田博之衆院議員(熊本4区)から20日に提示された最終案を報告した。「療養手当の増額を求めるべきだ」「95年の政治決着と比べて低額過ぎる」との意見が出たが、最終的には「高齢の会員もおり、早期救済が一番の願い」との意見でまとまり、全会一致で受諾を決めた。

村上会長は「満額回答とはいかないが、1日も早く政治決着を実現するために決断した」と語った。

一方、「水俣病出水の会」は受け入れに前向きだが、要望してきた「団体加算金の支給」が最終案に含まれていないため、27日に役員会を開いて対応を協議する。(読売)