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高齢者虐待防止法、違反の逮捕は全国初。

kaihuuinternet2008-01-21

85歳の父親の世話を放棄しているという情報に基づき、東京都西東京市職員らが実施した立ち入り調査に抵抗したとして、警視庁田無署は21日、同市柳沢3、無職岸田澄江容疑者(43)を高齢者虐待防止法違反の現行犯で逮捕したと発表した。

警視庁によると、2006年4月に施行された同法違反の逮捕は全国初という。

調べによると、岸田容疑者は今月18日午後0時45分ごろ、同市職員や同署員ら約20人が、父親の無事を確認しようと、自宅に立ち入り調査に訪れた際、玄関ドアを開けず、窓から「人権侵害だ。家に入るなら令状を見せろ」などと叫んで抵抗。

いったんは職員らと話をしたが、「家の中には誰も入れない」と言って、玄関の鍵を閉めようとしたところを取り押さえられた。

市によると、岸田容疑者は父親と二人暮らしで、05年2月、大阪府内に住む弟(40)から、地元の保健所に「姉が父親の面倒を見ない」と相談が寄せられた。

市は昨年8月までに10回ほど、岸田容疑者宅を訪れ、父親と窓越しに話をして無事を確認していたが、今月4日、訪問しても会えなかったため、立ち入り調査に踏み切った。

父親は38度の熱があり、同市内の特養施設に保護されたが、肺の病気の疑いがあるという。岸田容疑者宅では大量のごみが放置されており、近隣から苦情が出ていたという。

同法は、「身体的虐待」「介護・世話の放棄・放任」などの5行為を虐待と定義。虐待を受けたとみられる高齢者に重大な危険がある場合、市町村に家庭への立ち入りの調査の権限を与えている。正当な理由がなく調査を拒否するなどした人に対し、30万円以下の罰金を科すと規定している。(読売)