かいふう

近未来への展望や、如何に。

秋葉原無差別殺傷事件。と、たとえば目撃者。

東京・秋葉原で17人が死傷した無差別殺傷事件で、ナイフで襲われた12人のうち少なくとも6人が交差点内で刺された疑いが強いことが警視庁の調べでわかった。

しかし、襲われた状況の詳細については、殺人未遂容疑で逮捕された派遣社員加藤智大(ともひろ)容疑者(25)の記憶があいまいなため、特定が難航。

同庁では殺人容疑の立件に向け、加藤容疑者の立ち会いのもと、別の場所に現場の歩行者天国を再現して、実況見分を行う方針。

同庁幹部によると、加藤容疑者は8日午後0時30分ごろ、2トントラックで千代田区外神田1の交差点の人込みに突っ込み、通行人5人をはねた後、殺傷能力が高いダガーナイフで12人を刺した。

約5分後、万世橋署員に取り押さえられ、その直前に刺した女性(24)に対する殺人未遂の現行犯で逮捕された。

救急隊員の証言や防犯ビデオの映像などから、同庁では、これまでに死亡した調理師松井満さん(33)ら、少なくとも6人が交差点内で刺された可能性が高いと判断。いずれも無抵抗で、腹や背中をナイフで一刺しされていたという。

その後、加藤容疑者は、交差点から逃げる通行人を中央通り沿いに追跡して刺し続けていたが、調べに対し、「警察官を含む数人を刺したことは覚えているが、興奮していたので、その後のことはよく分からない」と供述しているという。

同庁幹部によると、交差点から南へ約70メートル離れた場所で倒れ、死亡した会社員宮本直樹さん(31)や、逮捕直前に刺された女性ら数人は、刺された後、走って逃げる途中で倒れたとみられ、どの場所で襲われたか分からないという。交差点内で刺されたとされる6人についても、誰が最初に刺されたか判明していない。

事件当時、交差点付近には数百人がいたとされるが、名乗り出てくる目撃者は少なく、同庁では、目撃者に協力を呼び掛けている。(読売)
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事件当日の生々しい凄惨な現場。通り魔だから、被害者の方々、さぞかし、と痛い。
もはや遺族の方々。そして親友やら同僚やら知人やら、そうやって徐々に外に波及してくる。
紙面に過去の同様事件が掲載は、通例だろうけど、やはり池田小事件を思い出した。被害者数の多さと、領域が小学校という教育現場だったからである。体力も劣る、凶器を振りかざす狂気も知らぬ児童に襲いかかるは、その結末が容易に判るからである。
それと較べる事が、起こるとはおもわぬから。
歩行者天国、という領域が狙われた。自由意思で、その場に遭遇した人たちが、狂気の的になった。
しかし、犯人は、直前まで、ケータイという利器で、【人を殺しにいきます。みなさん、さよなら】などと、もう錯乱の中にいる。文章がすでに支離滅裂である。精神分裂が発症してる。
バーチャル、を検索すると、「事実上の、実質上の」と言う意味だが、慣例的に「仮想」という日本語訳をあてる。と、ある。
「仮想」とおもっていたが、本来の英語では違う意味である。
インターネットでも、先駆の人たちの中に、この側面が故で、悲観的な見方をした方々も居た。
どこかの局では、犯人と某誰との、ケータイ・メールでの会話を再現していたが、その時の相手の方すなわち某誰は、ちゃんとフォローしている。相談にのってる。カウンセルしている。にもかかわらず、犯人は己を制止できなかった。
マスコミが、メシのタネが造語、『勝ち組、負け組』をただ鵜呑みにするだけの、若さであった。狭い解釈だ。

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紫雲丸事件をも思い出した。検索すれば、わかる。
衝突沈没する団体の若い生徒らを、目撃していながら、救助に加わらず、シャッターを押していた人、がいた。その写真も見たが、偶然当時高価な代物カメラを持参してたが故とか、あれでは飛び込んで救うのは困難だとか、考えさせられた。戦後の時代、それも初期での事件である。自分ひとりの体力温存の食物しか得られぬ時代の、遭難だった。目撃してシャッターを押す体力はあっても、破船と溺れる群衆の海に飛び込んで、どういう結果をと返答されれば、返す言葉がない。
事件記者とか、報道カメラマンは、誌史で承知だろうけど。

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ケータイ・カメラで撮る輩が、やけにTV放映画面にいる。眼前の流血の惨事に、さらに冷淡に、視えた。
することは、それしかできぬ諦念なのか、凶器を持つ犯人は、警察官が追うのを見たから、いいか、な感じで。使用料金払ってるケータイ保持者が、オーナー気分で。

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この十字路は、いち度は自分も歩いた、とおもう。歩行者天国の日ではなかったが、仕事上でも、あるいはパソコン購入時にでも。
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自分も、かって、ある刺傷事件を目撃した。パトカーだったろう。幹線道路に、歩道に横付けした。複数の制服が、とあるマンションに入った。直後、女の人の悲鳴が聞こえた。
体躯のしっかりした若い男を挟むように、警官が出てきた。
なにやら、もめている。次の瞬間、制服がひとり倒れた。若い男が隠し持ってた刃物を出したようだ。窓ガラス越しで、よく見えぬ。もうひとりの制服が、追われたのか、倒れた同僚から犯人を遠ざけるためか、拳銃を抜く時間確保か、視界から消えた。刃物の男も消えたようだ。
かように、距離があり、遮蔽物があろうと、目に入った光景そのものに気が動転してしまって、前後の脈略が真っ白なのである。
同様目撃者は、幹線道路の白昼故、多数だったろう。誰か電話したんだろう。何十分も経ぬうちに、上空に報道ヘリは飛ぶわ、交通止めはするわ、覆面パトカーも停車するわ。赤い救急灯が回転する白い救急車が数台並ぶわ。
窓ガラス越しからの傍観者たる自分は、この国の緊急警護体制に満足しつつも、やはり冷淡だったのだろう。当日日没後の聞き込みにも、無頓着だった。どうせ、より近い目撃者は数多く居たはずだ、と。
そういう事件に、極悪事件に巻き込まれる確率など、普通おもわない。
ならば、それを目撃する確率を、事件前に先ずおもわぬのが、普通だ。
目撃したのを家族に話し、促されて、ただの傍観者から、老いたわね、と突付かれて、目撃者になれるなら、そう決断しようか。まだ、若いんだから、と。
池田小事件の判例を踏まえれば、この事件の犯人はすでに官憲に逮捕されてあるのだから、目撃者として遭遇した者が、名乗り出るというか、警察に情報を提供しても、安全は確保されてある。
この国の犯罪史上の事件。

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何度も、再確認するが、ブログの用途、その役割で、何ができるのか。
池田小事件は、このブログのかなり以前。
だから、[記憶ある人びと]に、載せるならば、秋葉原無差別殺傷事件の被害者たち。それも亡くなった人たち。