社会保険庁を改組して2010年1月に設立する「日本年金機構」の組織体制について、厚生労働省がまとめた最終案が17日、明らかになった。
設立時の総定員を、05年度末より約6000人減らして約1万7830人とし、このうち、正規職員は約4000人削減して1万人未満に抑える。
焦点となっている懲戒処分を受けた職員約900人の処遇については、3年の契約期間ごとに雇用継続の可否が審査される「有期雇用職員」制度を新設し、定年まで原則として勤められる正規職員としては採用しない方針だ。
社保庁改革を検討してきた政府の有識者会議「年金業務・組織再生会議」(座長・本田勝彦日本たばこ産業相談役)は19日に会議を開き、厚労省が最終案を提示する。
新たな「有期雇用職員」制度は、処分を受けた職員の業務実績を審査し、契約期間中の勤務評価などを踏まえ、3年ごとに契約継続を判断するもので、各職員に職務精励を厳しく迫る内容となる。
一連の不祥事を受け、社保庁は、総定員を05年度末の約2万3700人から約1万8200人に圧縮する案を発表。このうち、正規職員は約1万4000人から約1万2500人とするとしていた。しかし、政府・与党内からは、年金記録ののぞき見などで懲戒処分を受けた職員が正規職員として採用されれば、「国民の理解を得られない」などの批判が続出。正規職員の規模も、行革の観点から1万人未満とすることにした。
このほか、違法な労働組合の専従活動(ヤミ専従)をしていた職員は、機構設立時に採用しない方向だ。設立時の民間からの採用についても、今年4月の案で打ち出した約400人から倍増させる方針だ。(読売)