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NY、史上最大の下げ。東証も、日経平均株価は大幅続落。

東京貿易センタービル

【ワシントン=塩原永久】米連邦準備制度理事会FRB)のパウエル新議長が就任宣誓式を行った5日、ニューヨーク株式市場が過去最大の下げ幅を記録。株価急落はFRBの利上げが加速することへの警戒が誘因、3月の追加利上げを予想する見方が市場で強まる中、パウエル氏には、議長に求められる「市場との対話」の資質が早々に問われる。パウエル氏は5日、「金融政策を通じて経済成長の維持と健全な雇用市場、物価安定を支える」との声明。前週末2日から週明け5日に続く株価急落は、従来3回と想定された年内利上げ回数が4回に増える可能性を市場が視野に入れ始めた中で起きた。FRBにとって、金融危機後の超低金利政策を終わらせる「出口戦略」が急務だ。一方、株価は景気を支える低金利を背景に上昇を続けてきた。今回の相場変動は、投資家が敏感に低金利脱却の動きを探ろうとする節。パウエル新体制にとっては、投資家の思惑に働きかけて金融市場の激変を防ぐ「市場との対話」のハードルが一段と高まった。追加利上げが早まるとの予想が出る中、当面は週内に予定のFRB幹部の講演が注目。パウエル新議長を指名したトランプ政権との距離感も難題だ。ホワイトハウスは5日、株価急落を受けて「大統領はファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)に焦点を当てており、それが極めて強いことに変わりない」との声明を発表し、火消しに動いた。高い経済成長を目指すトランプ大統領は「低金利が好きだ」と述べたことがある、金融正常化に取り組むパウエル氏の政策運営は、一筋縄ではいきそうにない。(産経)
米国株価急落をきっかけに日本を含め世界株安連鎖。日米とも企業収益は好調で2008年9月のリーマン・ショック再来はありえないが、ただ一つ気になることがある。上昇株価が支えてきた米景気が変調をきたすリスクだ。外需頼みの日本は金融・財政の両輪を稼働させて、内需主導へと経済政策のかじを切るべきだ。米国景気は株価次第だ。株価が上がれば個人消費も企業の設備投資も必ず上がる。そう見抜いたバーナンキ米連邦準備制度理事会FRB)議長はリーマン後、3度に分けて3兆5千億ドルの資金を金融市場に投入し、超低金利政策と合わせて株価を押し上げて景気拡大に成功。昨年発足したトランプ米政権はさらに大型インフラ投資や史上最大規模の減税に乗り出し、株価の上昇に弾みを。リーマン後に比べ、17年末までに時価総額が20兆ドル増えた米株式市場は、5兆ドル余りの国内総生産(GDP)増を。その半面、市場では昨年半ば頃から株式の過熱懸念が高まっていた。株式時価総額は昨年末でGDPの1.6倍以上に達し、リーマン前の1.4倍をはるかに超えた。株価は企業収益からみた適正水準を7割以上も上回っている、などの見方だ。そんな中、賃上げとともにインフレ期待が生じ、市場金利が上昇し、投資家は一斉に株売りに転じた。金融市場に巨額のゼロ金利の資金があふれた局面が完全に終わり、FRBによる金利引き上げと資金の回収が始まり、株式市場は大調整期に突入したのだ。(産経)
このまま市場に不透明感が残り、株価が低迷するようだと、個人消費や設備投資も道連れにされかねない。米ハーバード大学のM・フェルドシュタイン教授は、企業収益に対する株価の水準が過去の平均値まで下がれば、「個人消費は4千億ドル、GDPの2%以上が減る」(1月17日付の米ウォールストリート・ジャーナル紙)と警告。日本のほうは幸い、政策の追加余地はかなりある。日銀のマイナス金利政策のおかげで政府は額面価格を上回る収入が見込める国債を発行できる。その超過収入は平成28年度2.7兆円、29年度と30年度はそれぞれ1.5兆円の見込みという具合だ。安倍晋三政権は異次元金融緩和政策と機動的で大胆な財政出動を組み合わせて、脱デフレと内需拡大を急ぐべきだ。(産経)


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