かいふう

近未来への展望や、如何に。

中皮腫100人集会 省庁交渉だヨ!全員集合(6/1)&(6/3)

厚生労働省

アスベスト石綿)が原因で発症する重篤ながん「中皮腫」などの患者約50人と遺族ら計約220人が1日、東京都内に集まり、厚生労働省などの担当者に新薬の早期承認や救済策の充実を求めた。交渉は「中皮腫アスベスト疾患・患者と家族の会」(東京都江東区)が呼びかけた「省庁交渉だヨ! 全員集合」。
千葉県鎌ケ谷市中皮腫患者、栗田英司さん(51)は下血のため4月から入院していたが、強行参加。肺がん治療薬「オプジーボ」を中皮腫の治療薬としても早期に承認するよう迫った。患者や家族の多くは、現行の石綿健康被害救済法の月約10万円の療養手当では「生活や介護ができない」と窮状を訴えた。大阪府岬町の右田孝雄さん(53)も中皮腫抗がん剤投与を延期して参加し、阪神大震災の復興・救助に伴う中皮腫発症者がいると指摘。「ボランティアで被災地に行って発症すると、(労災にはならずに)救済法の療養手当になってしまう」と問題提起した。
省庁側からは「持ち帰り検討する」との返答が多く、患者らは「中皮腫の年間死者は1500人以上。1日平均4、5人が死んでいるのに」などと早急な対応を求め続けた。(毎日)

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東京都大田区の半径約500メートルの住宅密集地で、住民4人が2007〜17年に中皮腫で死亡したことが、関係者の話で明らかになった。この地域には、1980年ごろまでアスベスト石綿)を扱っていた工場があった。中皮腫石綿の吸引が原因とされるが、4人に石綿を扱う職歴はなく、診察した医師らは工場からの飛散が原因とみられると指摘。市民団体「中皮腫じん肺アスベストセンター」によると、周辺住民が集団で石綿による病気になったのが疑われるのは都内では初めて。
石綿が原因の病気は吸引から数十年後に発症するとされ、全国にあった工場周辺の住民らに患者が増えることが懸念されている。
診察した医師らによると、死亡した4人は7〜76年間、工場周辺に居住。うち男性3人は工場から約200メートル以内に住んだ経験があり73〜82歳で死亡、59歳で亡くなった女性は、自宅から約500メートル離れた工場近くによく行っていた。男性3人を診察した東京労災病院の戸島洋一・呼吸器内科部長は「3人とも石綿関係の職歴がない上、工場近くに長期間住んでいた。飛散石綿以外に原因が考えにくい」と指摘。女性の兄(69)は「妹は子供のころ、工場周辺に積んでいた石綿で砂遊びのようなことをしていた」と証言した。
厚生労働省などによると、工場は37〜80年ごろ石綿を用いてセメントなどを製造、複数の元従業員が石綿原因の病気で労災認定された。その後閉鎖されたが、08年に大田区の調査で周辺の住民に、肺の組織が石灰化する石綿原因の胸膜プラークが確認された。工場を運営していた会社は「コメントできない」と話した。
05年6月には兵庫県尼崎市の旧クボタ神崎工場周辺で、住民5人の中皮腫発症が明らかになった。その後患者は増え続け、クボタは昨年末までに300人以上の患者らに救済金を支払っている。各地でも被害報告があり、06年には周辺住民など、労災保険の給付を受けられない患者を対象に、療養手当などを支給する石綿健康被害救済法が施行されている。(毎日)