かいふう

近未来への展望や、如何に。

ベトナム少女殺害事件、地裁判決は、裁判員裁判故か。

「これではリンちゃんが天国に行けない」。愛娘を惨殺されてから約1年3カ月。渋谷恭正被告の死刑を求めて活動を続けてきたリンさんの両親は判決後に記者会見を開き、千葉地裁無期懲役判決に無念さをにじませた。
「有罪になったのは良かったが、刑が軽すぎると思う」。父のレェ・アイン・ハオさん(36)は肩を落とした。当初は欠席予定だった母のグエン・ティ・グエンさん(31)も同席し「全く納得できない」とうつむき気味に話した。これまで公判で一貫して完全否認を続けてきた渋谷被告。そうした姿を見つめながらもハオさんは「警察や検察が積み上げた証拠、法廷に立ってくれた証人が有罪を証明してくれる」。そう信じ続けてきた。事件発生当初から「死刑を」と涙ながらに訴え続けてきた。
何度も街頭に立ち、渋谷被告の死刑を求める署名を集めた。その姿は人々の心を打ち、インターネット上でも賛同の輪が広がった。日本や母国のベトナムだけでなく、世界各国から約113万人分(5月9日現在)の署名が集まった。それだけに「同じ意見を持った人たちが協力してくれたのに」と残念がった。
リンさんが事件に巻き込まれたことについて「親が悪い」とまで指摘した被告に、ハオさんは「真実を話さず、人間の良心を持っていない」と怒りをあらわにした。
ハオさんは控訴の意向を示し、「今日が終わりじゃない」と力を込めた。(産経)
検察側が渋谷被告に行った求刑は死刑。平成21年に導入された裁判員制度で被害者が1人の殺人事件で死刑判決が言い渡された事例は4件ということもあり、裁判員は難しい選択を迫られた。(産経)