かいふう

近未来への展望や、如何に。

ある時代

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酢いか




もうひとつのスリラー『酢だこ』

昔々、ブラウン管だった。しかし、現状は、国民独りひとりが、『液晶テレビ』中から大を買わないと。国策企業が衰退、倒産するかもしれない。

それで。私も、そういう圧迫感も手伝って。売れ残った在庫。それを求め、今、居間に据えたばかりだ。そして、それは、その晩の丑三つ時。灯りを消した暗闇に。

液晶テレビの辺り。その縁の内側から。何やら、発光体が、出て来て。室内を水平に動く。やがて、それは、台所の奥へと隠れたのだった。

老いて、疲れた眼の錯覚だと。そのまま、眠りに落ちた。

翌朝、窓からの陽射し。冷たい水をと、台所へ行くと。〆さば用に取って置いた、酢を入れた小鉢に、何やら。よーく見ると。それは、タコだった。海辺にたどり着いたと誤って。そのまま足を滑らせて。小鉢の酢に、浸かっている。発光してる自身はホタルイカ、と思い込み気付かず。酢に溺れたらしい。酢だこ・

食欲を削がれた。食べないと、死。コワい、だろう。