2005-08-15 一枚の写真.その3 記憶ある人びと 別冊グラフでか、某TV局番組でか忘れた。モノクロである。従軍記者が撮ったものだ。戦車かジープかが通ったであろう轍の跡におさげ髪かな少女が顔を埋めて倒れている。手榴弾は伸ばした片手にあったか、定かでない。狙撃した当の兵士か、彼女に視線を投げている。沖縄である。 すぐれた写真は衝動を呼び起こす。その場面に、入って行けると錯覚を抱かせる。進軍する彼らに、次の瞬間は過去。残されたは、少女の伏した顔の泥も拭いてやれないもどかしさ。