かいふう

近未来への展望や、如何に。

TVの面目躍如.その7

kaihuuinternet2006-04-09

TBS「情熱大陸」、午後11時という時間帯はちょっと引いたが、それでも見た。今回は「ベトナムの赤ひげ」、医師が個人で、無償で医療する。しかも、2週間現地滞在、そして帰国。それを繰り返し、母国の各地を鉄道時刻表とともに、執刀手術して移動する。その間、その医療機関から再滅菌の器具もあわせて調達する。何と手際よく、かつ無駄のない事か。
黒澤明監督「赤ひげ」は観た。モデルが居ただろう原作、骨太で質実剛健。傷ついた多感な奉公の少女を預かり、BGMにクラシックを用い、自閉症を治す話。長屋住民の情感ある演出など、望遠からのカメラワークも独自の境地。
彼、服部匡志医師は、病院に連日のごとく長蛇の列をつくる、何百キロ先からも来る患者さんたちに、内視鏡と先端技術ですぐさま適切な治療行為が出来る。白内障や増網膜症で失明状態の人びとを救う。何人分の働きをしているのだろう。患者も同僚医師も看護師も全幅の信頼を寄せている。医療に限ったことではないが、こういう光景を見せられてしまうと、こっちもまたやる気になる、というものだ。それは、映画にもあったが、人の尊厳とか、生命のかけがえの無さとか。
ベトナムは戦後30年を越えた。それでも、健康や生活に支障をきたす人びとが、かくも多数いることに。
彼は言う「助けるのを遠慮はしない」。30分の番組だが、余韻は長い。洗われたおもいだ。