かいふう

近未来への展望や、如何に。

旧経営陣3人を相手取り、総額31億円の損害賠償請求訴訟。

証券大手の日興コーディアルグループ(CG)は27日、利益水増し問題の責任を明確にするため、有村純一・前社長を含む旧経営陣3人を相手取り、総額31億円の損害賠償請求訴訟を起こすと正式に発表した。

3月中に提訴する。金子昌資・前会長は賠償請求対象としないが、監督責任があったとして3億円の私財提供を求める。

有村前社長以外の賠償請求対象は、日興CGの山本元・前財務最高責任者(CFO)と、投資子会社の日興プリンシパル・インベストメンツ(NPI)の平野博文・前会長の2人。日興は、課徴金5億円や弁護士費用などで約14億円、株主へのおわび状配布などで約17億円の損害を被ったとしている。

日興は会社の業績がよくなると報酬が増える制度を導入している。このため、有村前社長や桑島正治・現社長ら7人の経営幹部に対し、利益の水増しによって過大に支払われた報酬(2期分の賞与計1億640万円)やストックオプション(自社株購入権)の返還も要請する。ただ、有村前社長らの退職金については返還を求めず、不正会計を見逃したみすず(旧中央青山監査法人に対する責任追及は今後、検討するという。

日興の責任追及委員会は、不正を行った動機や、有村前社長の直接の関与を示す証拠は見つけられなかったが、「一連の行為は意図を共有する関係者によって組織的に進められた」とする答申を同日、日興CGに提出。これを受けて、旧経営陣の法的責任の追及に踏み切ることにした。

また、日興は同日、2005年3月期と06年3月期の有価証券報告書の訂正報告書を関東財務局に提出した。あらた監査法人による再監査では新たな不正会計は見つからず、同監査法人は「適正」との意見を表明した。東京証券取引所は、3月中旬までに上場廃止にするかどうかを判断する。(読売)