かいふう

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「新横田基地公害訴訟」の上告審、最高裁判決。

kaihuuinternet2007-05-29

米軍横田基地(東京都福生市など)の周辺住民約6000人が国を相手取り、騒音被害に対する損害賠償などを求めた「新横田基地公害訴訟」の上告審判決が29日、最高裁第3小法廷(堀籠幸男裁判長)であった。堀籠裁判長は「結審後の将来分の賠償は認められない」との判断を示し、結審から判決までの将来分の賠償まで認めた2審・東京高裁判決を破棄。賠償額を約2億3000万円減額し、国に約30億2000万円の支払いを命じた。

判決は、同小法廷の堀籠裁判長、上田豊三(退官)、藤田宙靖の3裁判官の多数意見。那須弘平田原睦夫の2裁判官は「将来分も一部、認めるべきだ」とする反対意見を述べた。

この訴訟で、1、2審はいずれも国に賠償を命じたが、1審は、結審時までの過去分の賠償だけを認め、結審後の将来分の賠償は認めなかった。一方、2審は、「被害に大きな変化はない」として、過去分に加え、結審から判決までの約1年間の将来分についても賠償を命じていた。

この日の判決は、「結審後の賠償は、具体的な被害の額をあらかじめ明確に認定できないので認められない」と、将来分の賠償を否定した。これに対し、那須裁判官は反対意見で、「結審から判決までの短期間に限定して将来分を認めた2審判決は、当事者への迅速な救済を図るものとして肯定できる」とし、田原裁判官も、「被害が将来も継続することが高い確率で認められる期間については、将来分の賠償も認めるべきだ」と述べた。

訴訟は1996〜98年にかけて起こされ、住民側は早朝・夜間の飛行差し止めと損害賠償などを求めた。飛行差し止めについては既に原告側の敗訴が確定している。(読売)