坂本堤弁護士一家殺害や松本サリンなど3事件に関与したとして殺人罪などに問われ、1、2審で死刑判決を受けたオウム真理教元幹部・端本悟被告(40)の上告審判決が26日、最高裁第2小法廷であった。
津野修裁判長は「犯行は組織的、計画的で冷酷、残忍。遺族の処罰感情は厳しく、社会に与えた衝撃や不安も深刻だ」と述べ、端本被告の上告を棄却した。端本被告の死刑が確定する。
教団による一連の事件で、死刑が確定するのは、松本智津夫(52)、岡崎(宮前に改姓)一明(47)、横山真人(44)の3死刑囚に続き4人目。
弁護側は「事件当時、松本死刑囚と教団にマインド・コントロールされていた」などと主張し、死刑を回避するよう求めたが、判決は「坂本弁護士に最初に襲いかかり、松本サリン事件ではサリン噴霧車の運転を引き受けるなど、重要な役割を果たしており、死刑はやむを得ない」と述べた。
判決によると、端本被告は松本死刑囚らと共謀し、1989年11月、坂本弁護士(当時33歳)と妻の都子さん(同29歳)、長男龍彦ちゃん(同1歳)の3人を横浜市の自宅で殺害したほか、94年6月、長野県松本市でサリンを噴霧して7人を殺害するなどした。
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「事件の真相が明らかにならないまま、被告の刑が次々と確定していくのを、私たちは見守ることしかできない。むなしさしか感じません」。この日の判決を前に、坂本都子さんの父、大山友之さん(76)はそう語った。
松本サリン事件で二男、豊さん(当時23歳)を失った小林房枝さん(65)は判決に合わせ、「遺族にとっては13年前の出来事ではなく、毎日があの日なのです」と苦悩をつづった手記を公表。「端本被告の刑が確定しても息子は戻って来ない。犯した罪は命で償ってもらわねばなりません」と記した。
一方、関係者によると、端本被告は数日前、死刑確定の公算が大きいと聞いた時も、特に言葉は口にせず、淡々と受け止めていた様子だったという。(読売)
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この国家転覆の大事件、拘るは、正義の代理人たる弁護士がその家族諸とも抹殺され、その首謀者が弱視という盲人でこの国の福祉の貧弱を突いて、結果この社会の光を暗くし、かつ闇の不安を気付かせたことにある。
気が重く、暗くなるのは、承知してる。でも、事件の全容解明を見ないことには、わからないことがあるように、おもえるからだ。