かいふう

近未来への展望や、如何に。

それでもエピ。『言霊犬ヤマト、吠える』

kaihuuinternet2008-03-27

東京都板橋区のマンションで25日に区立小6年の男子児童(12)が転落死していたことがわかった。男児は卒業式を終えた直後だった。

マンション内の自宅に遺書のような書き置きがあったことから、警視庁志村署は自殺とみて動機を調べている。

同署によると、25日午後1時30分ごろ、板橋区内のマンションの敷地内に男児が倒れているのを管理人が発見、病院で男児の死亡が確認された。自宅居間のテーブルに置かれていたB5判の紙に、家族あてに「死んでおわびします」という内容の言葉が1行だけ書かれていた。倒れていたのは、14階にある自宅の真下で、ベランダから飛び降りたとみられる。

男児は両親らと4人暮らしで、4月から地元の区立中学校に通う予定だった。

この日午前には小学校の卒業式に出席、帰宅した直後に自殺したとみられる。

家族は外出中だった。(2008年3月26日読売)
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引っ掛かってました。
それで、今日の同紙朝刊には、一面下段の欄で、及び他面での記事で、概要がつかめました。
キーワードは、『大好きな学校』です。
卒業式で、卒業生が、役割分担で、ひとつのセリフをあてがわれ、それを順番がまわってきたら、発言するのです。
この形式というか、表現形態は、かれこれこの国では、半世紀前から、使用され、定着してきたようです。
自分も身に覚えがありますから。
問題は、『大好きな学校』を発言する役になった少年が、何故、
「死んでおわびします」という内容の言葉が1行だけ、の遺書を残して、自死を取ったのでしょうか。
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記者会見した、小学校の校長と並んだ地元教育委員会の方は、「大嫌いな学校」と言った小学生に、校長はどうしてとたずねた、そうです。
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取材で、同学年の生徒は、少年が冗談をよくいう明るい生徒だと。
単にイタズラで、言い方を変えて、それを実行したにせよ。校長に問われて、嘘の理由の返答をして、式典を終えたにせよ。
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『大好きな学校』ですよね、曲者は。
そのセリフが載る、卒業式での集団答辞、というのは、この国の北は北海道から、南は沖縄まで、全国多数ある公立小学校の、共通一次試験みたいな、どうしても当たった誰かが、当日言わねばならないもの、なんでしょうか。
なら、全国の卒業年度の生徒全員に、初等義務教育は『大好きな学校』でしたか、とアンケート取れ、とは言ってない。
並んだ地元教育委員会、から察すれば、どうやら、『大好きな学校』というセリフは、その区のみらしい。

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教職を志し、念願を果たし、知恵と経験から、『大好きな学校』というセリフをどうしても加えざるを得ない、学校教育する側の大義名分。
それを参列した居並ぶ保護者たちに、児童の口から、どうしても聴く耳を持ってるんだ教育者の満悦、大人の論理。
それは、厳粛静聴な儀式でしょう、卒業式は。

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自分に、この少年のDNAでの、共通因子がある、とおもわれたんです。勿論生物学的ではない、精神的のものですが。
社会的というは、誰しも体験する、通過儀礼としての、初等義務教育卒業式ですが。

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それで、考えてみたんです。自分だったら、『大好きな学校』発言担当に、運ワルく当たったら、と。
中好きな学校、小好きな学校。どちらも弱い、冗談としては。学校も、替える訳にはいかない。
すると残るは、好きな、だけしかない。ここを、どう替えれば。

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運ワルく、という発想がそもそもヒネクレで、イタズラにつながるものだ、と言われるなら、大好きな、という発想は、何処からでしょう。
6年間育てたのだから、それが証書を受け取る日には、自然でなくとも、当然か必然ではないか。というのは、義務ではない難関、を突破しての、公職を預かる者としての、税金を費やす選ばれた者として。
だから、ゆく年くる年、恒例の、『大好きな学校』を耳にしなれけば、後年の矜持も継続も消えるのだ、でしょうか。
毎年、それこそ、トコロテン方式で送り出される義務教育小学生は、皆が全員こぞって、『大好きな学校』として、母校を巣立つとは限りません。
もし、その発言の役に運ワルくなったら、髪を七三に分け、30%は大好きとは形容しないのになぁ、とその前後にひとりつぶやきでもしますか。
幾らか、たとえ数%でも抵抗感ありますよ。
その建前と本音の違いも、小学校卒業式に、叩き込みますか。

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『大好きな学校』から、大好きな、を撤去してください。消去せよ。
何処かの区なら、その自治体は、その形容を取り去り、違う形容にせよ。
それが、来年以降の、教訓だとおもうが。如何でしょうか。
「死んでおわびします」は、形而上学の問題じゃないでしょうか。
小学校卒業生に、そんな問題まで突きつけるなよ。
そんな情況設定つくるような、条文かを固定印刷で配布するなよ。
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見ろよ。主人を亡くした言霊犬ヤマトが吠えてるぜ。
あれはきっと、『大キライな学校』だったんだ、って。
誰かが、そのひと言その少年に、付け加えて上げればよかった。
その配慮する人が、見つからなかった。
おそらく、小さなひと言が大役、をその少年は、そしてひとつの儀式に過ぎないその事後に、その始末の在り様に、苦慮したのだろう。
それは、潔い死をもって償うべき、それに比する程の重大な事柄では断じて無かった。そんな天秤は無いのだ。
それを、説得して上げる人が居なかった。
誰かが気付いたら、次の中学卒業式まで、カタカナでも考えてみたら、と助言出来ただろう。それでも解けなかったら、だったら二十歳の儀式まで。

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反省も含めて、時々おもいだす。大人って、スゴいな。大人って、ズルいな。
子どもだから、あとで気付く事もある。
少年は、大人ではない。
少年時代に帰って、犬の販売店ポータルサイトを開けたら、子犬が正面顔写真入りで1頭ごと載っている。どの顔も違う。個性がある。気性も違うのだろう。性格の合う飼い主に当たればいい、とおもう。
掲載は、天然記念物、柴犬。
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告別式には、誰か言ってください。
『誰が哀しいんでしょう』