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高峰秀子。私が観た主演作で、この作品は、彼女でなければ、というのを、列挙しよう。「浮雲」、「二十四の瞳」、「カルメン故郷に帰る」、「喜びも悲しみも幾歳月」、「人間の條件」、「遠い雲」、「乱れ雲」、「恍惚の人」。
「われ一粒の麦なれど」はシナリオ年鑑で載った。
爽やかな新米教師から。戦後生きんが為の若いストリッパー。どうしようもなく堕ちていく男女の逃避行。かと思えば、共に白髪が生えるまでの謹厳実直な夫婦まで。
観客は、その都度。変わり身するデコちゃんの、何処まで行くんだ、という期待と欲求とを、抱いてしまった。若いストリッパーにしても、痛快で、厚化粧も抵抗の徴。田舎出の純情娘が、復員した敗戦で落ち込んだ兵隊さん相手に。ギリギリの線で、肝っ玉母さんよろしく。食うや食わずの彼らを奮起励ます。そんな逞しい女が久しぶりに帰郷。変わらぬ懐かしい大自然に中。パワーをもらった厳しい目線で、故郷もパンした地平。母国だっていう風景、総天然色。強いお姐さんが、大地に踏ん張ってる。戦後から、肯定的に見てる。
「銀座カンカン娘」♪も、戦後が未だ終わっていない。その間の明るいヒット曲だ。首都のブロードウェイだから。そこから発信は、全国まで響いただろう。
後年、山内賢と和泉雅子がデュエット曲「二人の銀座」♪で、世代交代するまで。
女優は嫌いだ、とまで言い切って。それからは、文筆業で自伝随筆まで残す。
名子役時代から、大家族を養うために働いた。となれば。
大画家のモデルでの肖像画。それさえも、寄贈してしまう。
夫婦の海外旅行でさえ、そこで仕入れた見聞事情を、ファンに書物で紹介してもくれた。