「13 あなたは殺してはならない。」
出エジプト記第二十章13
「 17 あなたは殺してはならない。」
申命記第五章17
「21 昔の人々に『殺すな。殺す者は裁判を受けねばならない』と言われていたことは、あなたがたの聞いているところである。」
マタイによる福音書第五章21
ベヤセンスキーから、半世紀。
50年前。とある国の、某キャンパス内。学費値上げ反対、から端を発し。
やれ自治だ。国家権力の介入を許すな。闘うぞーっ。
若いから。デモにでも、参加して。体育の授業は無い年度。体力温存のジョギング代わりにしよっと。運がよけりゃ。かわいい美人のねーちゃんと、袖触れ合う口実もあり。
椅子で籠城し。構内で占拠した教室。その黒板(実質ミドリ)に、白墨で書かれてあった。
友をおそれることはない せいぜい君を裏切るだけだ
敵をおそれることはない せいぜい君を殺すだけだ
だがしかし 無関心な者をおそれよ
彼らの無言の同意があればこそ
この地上に 裏切りと殺戮とがある べヤセンスキー
誰が書いたか。知らん。
黒いカバン手籠めにされた。
数年後。離れたキャンパス内、テロがばれた。白昼、盲点突かれて。
被害者ひとりを襲撃したは、複数。まさに、彼らの無言の同意、そのまま。
その彼らも、それを見たのか。読んだのか。
後日、彼らも発見され、逆襲され、惨死。
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個人が、インターネットで、その件を思い出し。当時の友数人が会合、慰霊に墓参。
それで、第二陣で行った。
理由は、被害者彼に対する、不当な評価。
20歳の若者ひとり。殉教する、意思も意志もない。あろうはずなかろう。
先の彼らのひとり。眠る若者に、その戒名に、気付いた。付くべき1字が無い。
その訳を、然らば。法事の住職に尋ねる、もない。
もはや、過去完了、過去帳の話。
ましてや。それに気付くでもない、異教徒の我は。何をかいわんや。無断で行って、無礼で帰る。
わさびの里の 清冽水音に 二十歳をば 惜しむ晩秋 コスモス揺れよ
梅干爺
辞世の句さえ。詠むことならなかった者へ
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アーメン
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新政権発足で、来る東京オリ・パラリンピック。要職の方々も再任。
自転車競技の会場、静岡県は天城。その近くに、地蔵堂。彼の菩提寺法連寺がある。
遺族が、先んじて五十回忌の法要。すぐ見つけることができよう。