かいふう

近未来への展望や、如何に。

「?マーク」.その1

kaihuuinternet2005-12-31

幼児時、母に連れられ何処ぞに行く日だった。この時期は自分の意思で外出する気など起きない、母が用事で付いていくのである。駅前の銀杏の樹のそばに、二人の白い服が目に入った。母が硬貨を手渡して、彼らにと言った。近付いて、そのひとりの首から提げた箱に入れた。その時見た。礼を述べたその人の片手の手首から先が「?マーク」なのである。鉄製であったろう。その隣りの人も白い服の下、片足が膝から鉄棒が一本靴を履いている。松葉杖を添えていた。アコーディオンを弾いていた。まさか白足袋に下駄にそれ、はないだろう。ならば箱を提げた彼の方が足袋に鼻緒だったか。この間瞬時で、今しがた目にした光景が、それが、その意味がよくわからなかった。
後年、うちで使用してたカーキ色の一枚の毛布が、同じ色の帽子をあの時の白い服の二人も被っていた、そう確信するに至った。