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「脱北者支援民団センター」が休止、の真意

kaihuuinternet2006-05-18

在日本朝鮮人総連合会朝鮮総連)との和解を17日に発表した在日本大韓民国民団(韓国民団)の脱北者支援民団センターが休止状態になっていることが明らかになった。

韓国民団の脱北者支援について朝鮮総連は批判的だったため、韓国民団が和解に向けて朝鮮総連に配慮したという。ただ、問題を先送りした形の対応には、韓国民団の内部でも批判があり、今回の共同声明が真の和解につながるのか、不透明のままだ。

同センターは帰還事業で北朝鮮に渡った元在日朝鮮人などが祖国で迫害を受け、1990年代半ば以降、日本に逃れて来たため、この受け入れのために2003年6月に設立された。帰還事業は59年から84年にかけて行われ、朝鮮総連北朝鮮を「夢の楽園」などと宣伝して事業を推進。韓国民団は反対した経緯がある。

現在、約100人の脱北者が日本で暮らすが、同センターは、このうち約70人に対し、就職の世話や生活保護を受けるまでの生活費の支給など支援を行っている。この活動について、朝鮮総連内部には「不法出国の犯罪者を支援するものだ」との意見があり、朝鮮総連はセンターの存在に不快感を示してきたという。

ところが、今月初めから、センターがいきなり休止状態になった。韓国民団は「一時保留」だと説明。理由は「朝鮮総連への配慮など、総合的に判断した」としている。

韓国民団の関係者(69)は「今回、和解に至ったのは、脱北者支援を中止したからだろう」と分析したうえで、「ただ、(脱北者支援が)休止のままだと、韓国民団の組織の中で理解が得られないのでは」と懸念を示した。

法務省入国管理局時代に、在日韓国・朝鮮人の法的地位の改善に努めた坂中英徳・脱北帰国者支援機構代表は「人道問題である脱北者支援を中止して、『悪』のイメージを抱える朝鮮総連と組むことは、日本人との共生を望む多くの在日コリアンの意識とズレがある」と指摘する。(2006年5月18日読売新聞)

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在日本大韓民国民団(民団)と在日本朝鮮人総連合会朝鮮総連)の和解について、民団長野県地方本部の呉公太団長は17日、「独自に脱北者支援と拉致問題活動などを行っていきたい」と述べ、中央本部の決定に従わない意向を示した。

呉団長は、民団中央本部による脱北者支援センター活動の一時棚上げについて「国内に約100人の脱北者がいるにもかかわらず、見過ごすことは間違っている」と非難し、「北朝鮮とは拉致や脱北者、さらには北朝鮮国内における人権問題など問題を抱えている」と指摘した。和解について、団員十数人から抗議電話があったという。

呉団長は「多くの問題を棚上げして和解しても、今後うまくやっていけるか心配がある。総合的に考えると(和解は)必ずしも喜ばしいことではない」と感想を述べた。【藤原章博】毎日新聞 2006年5月18日 3時00分
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民団長野には気骨のある人がいるんですね。抗議電話をした十数人の団員の方々の勇気ある行為に、共感を覚えます。
民族和解そのものに異論を差し挟むつもりはありません。在日の二つの組織が、その両団体の長が隣人としての会話は、平和的解決への期待を喚起するものに違いない、とおもうからです。
しかし、表面上で終わって、何ら実態が伴わないものであれば、むしろその国民を欺くことに、と懸念する。