かいふう

近未来への展望や、如何に。

[危険運転致死傷罪]母の願い

kaihuuinternet2006-08-16

長男が無免許、飲酒運転の車にはねられ死亡したのを機に悪質ドライバーの厳罰化を求める運動を続け、危険運転致死傷罪の成立に結びつけた神奈川県座間市の造形作家、鈴木共子さん(57)の生き方が映画になる。

長男の零(れい)さんは当時19歳で早稲田大学第一文学部に入学したばかりだった。「零ちゃんの代わりに生きよう」と、強い意志で3度の挑戦の末に早大入学を果たした共子さん。女優田中好子さんが共子さん役を演じる映画「虹」(仮題)は10月に撮影が始まる。

零さんは2000年4月、友人と自宅に戻る途中、とび職の男が運転する無免許、飲酒運転の車にはねられ、友人とともに死亡した。男は業務上過失致死罪などで懲役5年6月の実刑判決を受けた。共子さんは「2人も殺して、あまりにも刑が軽すぎる」と法の壁を感じ、初公判後から厳罰化を求める署名運動を始めた。

東名高速の事故で娘2人を失った夫婦ら、悪質ドライバーに家族を奪われた人たちが次々と加わり、約2年がかりで約37万人分の署名を集めて法務省に提出、危険運転致死傷罪の新設に尽力した。01年から交通事故やいじめで亡くなった人たちの等身大人形パネルを展示する「生命のメッセージ展」を全国で開き、「生命の重み」を伝え続けた。

学生生活を奪われ、講義を受けられなかった零さん。断ち切られた夢に代わりに挑戦したいと零さんが使っていた参考書などで受験勉強を始め、03年4月、早大第二文学部に合格した。

プロデューサーの塩屋俊さん(50)は「誰もが被害者にも、加害者にもなる車社会の恐ろしさを社会に訴えるとともに、ごく普通の女性が悲しみを乗り越え、仲間と励まし合いながら前向きに生きる姿を描きたい」と話す。

事故のこと、署名運動、現在に至るまで共子さんの最近6年間を描く予定だ。

共子さんは「映画の中で息子に再び出会えるのが楽しみ。映画を見た一人ひとりに、交通事故は人ごとではなく、身近にあることを感じてほしい」と言う。

来年、創立125周年を迎える早大は「虹」を記念映画とし、共子さんが卒業する来年3月、同大と大阪国際会議場大阪市)で公開。この後、全国各地での上映が計画されている。(2006年8月16日読売新聞)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
この事故の件、憶えてました。二十歳前のこれから勉学に励む希望に燃えた若い学生さんが、しかも二人して巻き込まれての死。しかも、余りに軽い刑罰。荷車や耕運機の時代や畦道の話じゃないだろう。遅れているんじゃないのか。その憤りは今も消えない。このお母さんの気持ち、少しですがわかります。その時まで育て上げたんだもの。展示会、行こうかとおもったこともあった。