かいふう

近未来への展望や、如何に。

「国境の南」♪から、「越境者」。

【ワシントン=坂元隆】米上院は29日の本会議で、不法移民の流入を防ぐため、対メキシコ国境に全長700マイル(約1100キロ)のフェンスを建設する法案を賛成多数で可決した。

下院ではすでに同様の法案が通過しており、ブッシュ大統領が署名し成立する見通し。

大統領は当初、不法移民への居住権付与構想も含む包括的な移民政策を提唱していたが、中間選挙を1か月余り後に控え、移民流入に厳しい世論に配慮する議会に押し切られ、フェンス建設という締め付け策だけが実現することになった。

法案は、30日からの休会期間入り直前に、大多数の共和党議員と一部民主党議員が賛成し可決された。

フェンスは少なくとも2重のもので、3200キロに及ぶメキシコとの国境の3分の1以上に建設される。60億ドルと見込まれている総工費のうち12億ドルはすでに法案で予算が認められた。フェンスの周辺にはカメラや無人飛行機などで厳しい監視体制がしかれる予定。

法案について、ハリー・リード民主党上院院内総務は「ブッシュ大統領は自党の過激な反移民右翼勢力に屈服してしまった」と述べ、包括的移民政策を当初主張していたブッシュ政権を厳しく批判した。

また、メキシコ政府からも反発の声があがっている。(2006年9月30日読売新聞)
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断っておきます。誤解なさるな。国際政治がらみの不穏な問題に、鼻歌まじりで、ではなく、だからこそ陽気な明るいメロディでもBGMに流さないと。けれどその曲、手持ちのCDにもテープにもないから、ハミング♪、という訳です。
「越境者」は以前取り上げたかも、の先の大戦後の不況にアルプス越えする労働者の悲哀を描いたイタリアン・ネオリアリズムの劇映画。60年の時を経てもテーマに変わりなく、別の大陸で同様の社会現象が繰り返される、古典に加える作品と認めてしまう。
「国境の南」♪を思い出したのは、それだけではない。今日が命日のある夭折した若い俳優、彼の最後の出演映画。{リトルリアタ}で長年片思いの、白髪まじりの牧童が彼の役。その酔いつぶれた老人が誰も居なくなった大ホールの壇上で独白するシーン。それをひとり扉の影で見聞きする、母の娘。
オレだったら、こんなみじめな片思いの主人公になりゃしない。こんな人生の結末など持って来ない。故に、そんな役を引き受けて、演じたその若い俳優に、共感を憶えた。「国境の南」♪は、その娘が老人独白の真実を知り、後日両親と大平原をドライブ帰郷するシーン、若者がスポーツカーとの時、流れるBGMで使われたものだ。
年を経て、自分が彼が演じた年齢に達してみると、それは、日本人が自分が、巨人たるその国に対する日本、その宿命をその役柄に投影していた、そう解析できる、その年になってしまったんだ、とおもえる。
この彼の遺作では、朝鮮動乱に出兵する知人の若い兵士の敬礼の挙手のシーンもある。この若い兵士役の俳優は、別の前の映画で、チキンレースをする彼を、指十字で祈る親友も演じた。この俳優の後年の死も知る。
彼らは、星のマークがある旗の国に、「ボーン イン ザ ユーエスエー」♪以前に生まれた、スターである。