かいふう

近未来への展望や、如何に。

「ラクトフェリン」、自然の恵み。

牛乳や人間の母乳に含まれる「ラクトフェリン」という成分に、放射線を浴びた際に起きる放射線障害を防ぐ効果があることを、放射線医学総合研究所(放医研、千葉市)や石巻専修大宮城県石巻市)などの研究チームが、マウスを使った実験で突き止めた。骨髄破壊に代表される放射線障害の予防や治療薬としての利用が期待できるという。

研究チームは、ラクトフェリンの効果を確認するため、50匹のマウスを25匹ずつの2群に分け、一方にだけラクトフェリンを0・1%含む飼料を1か月与えた。その上で、50匹すべてに半数が死に至る量のX線を照射したところ、ラクトフェリンを与えられなかった群は照射後30日での生存率が62%だったのに対し、与えられた群は85%が生存していた。

さらに、ラクトフェリンを与えなかった別のマウスに同量のX線を浴びせた上で、その直後にラクトフェリン4ミリ・グラムを含む食塩水(0・3ミリ・リットル)を腹部に注射する“緊急治療実験”を行ったところ、30日後の生存率は一気に90%まで伸びることが確認された。ラクトフェリンには、がんなどの原因となる活性酸素を除去する抗酸化作用があるとされており、研究チームはこれが放射線障害を防ぐ際にも重要な働きをしているとみている。

放医研の西村義一・基盤技術センター長は「ラクトフェリンは安価で、被曝(ひばく)後に投与しても有効なことから、原子力産業の従事者などの危険低減に役立つだろう」と話している。(2006年11月28日読売新聞)
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定期健診などのX線撮影の前後には、牛乳飲みましょう、ということですよね。