かいふう

近未来への展望や、如何に。

北海道ガス社長が謝罪。

北海道ガスの前泉洋三社長は20日午後、北見市に入り、3人が入院する「道東脳神経外科」を訪れて「おわび申し上げます。1日も早く全快されることをお祈り申し上げます」と謝罪した。

同市春光町の事故現場を視察した後、死亡したピアノ講師後藤京子さん(47)宅前で、夫の寛幸さん(51)、長男の健甫(たけとし)さん(20)に謝罪した。寛幸さんらは硬い表情で「二度とこのような悲劇が起きないようにしてほしい」と訴えた。

前泉社長は記者団に「重大事故であり、地域のみなさんに不安を与えたことを本当に申し訳なく思っています」と、沈痛な表情で話した。

記者団の取材に応じた健甫さんは「怒りと言うよりも、あきれた気持ちの方が大きい」。京子さんが亡くなったことについては「起きたことはしょうがないと思う。ただ、病気で亡くなったなら納得もできるけど……」と言葉を詰まらせた。

前泉社長は、避難勧告を受けた住民が宿泊しているホテル黒部も訪問した。住民から帰宅のめどについて問われ、「できるだけ早く帰宅できるよう全力を尽くしたい」と答えたという。(2007年1月20日読売新聞)
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北海道北見市春光町の住宅で3人が相次いで死亡、11人が負傷したガス漏れ事故で、北海道ガス(本社・札幌市)は20日、ガス漏れ個所が、春光町を含め3地点5か所に増え、このうち同市幸町など2か所のガス管は完全に破断していた、と発表した。

同社は、破断が短期間に2か所起きたことを重視し、同市内の鋳鉄製管の交換を含む保安対策の検討に入った。

同社などによると、新たに、春光町の公園前の被害住宅寄りの1か所、約3キロ離れた同市幸町1の歩道上付近の1か所、約4キロ離れた同市常盤町のアパート付近でガス漏れが見つかった。ガス漏れ5か所のうち、最初に見つかった春光町のガス管に加え、幸町のガス管(直径150ミリ、鋳鉄製)は、完全に破断していた。

一方、北見署などは20日、春光町の現場の実況見分を行い、死亡した落井清治さん(64)方玄関前の地下約80センチで致死量の8・7倍の1万3000ppm、隣接する後藤京子さん(47)方台所の地下約30センチで同2倍の3000ppm、碓井広樹さん(44)方トイレの床下約30センチで同4倍の約6000ppmの濃度の一酸化炭素を検知。付近で破断したガス管から相当量のガスが亡くなった3人の住宅に流れ込んだとみて流入の経路などを調べている。3人の死因は司法解剖の結果、いずれも一酸化炭素中毒死とわかった。

記者会見した北海道ガスの大槻博・副社長は「完全な破断が数日で2か所も見つかるのは異常」と話した。

同社によると、19日に避難勧告が出た北見市春光町の周囲約4000世帯を対象にした緊急点検は20日午後11時現在、1380世帯で実施したが、異常は見つかっていないという。(2007年1月21日読売新聞)