かいふう

近未来への展望や、如何に。

ある映画監督の死。

【ロンドン=本間圭一スウェーデンからの報道によると、名作「処女の泉」や「沈黙」などで知られた映画監督、イングマル・ベルイマン氏が30日、同国南部フォラ島の自宅で死去した。

89歳だった。死因は不明。細密な演出で、人間の孤独とそこからの救済を描いて40本以上の作品を残し、20世紀を代表する映画界の巨匠と呼ばれた。

1918年7月、同国南部ウプサラ生まれ。ストックホルム大学を卒業後、映画製作を本格化させ、「危機」(46年)で監督デビューし、「夏の夜は三たび微笑む」(55年)で頭角を現した。代表作に、中世の騎士の旅を描いた「第七の封印」(56年)、悪夢におびえる医師を主人公にした「野いちご」(57年)、キリスト教を信奉する少女の悲劇を表現した「処女の泉」(60年)、姉妹の愛をテーマにした「沈黙」(63年)などがある。

82年には、子供を題材にした傑作「ファニーとアレクサンデル」で世界のファンを魅了。こうした名作が評価され、97年の第50回カンヌ映画祭では、現存する最高の監督として特別賞「パルム・ド・パルムドール」を受賞。米アカデミー賞でも、外国作品の最優秀賞に3度選ばれた。

95年には映画監督からの引退を表明していたが、2003年に、家族の愛憎を描いた「サラバンド」を自身の遺作として発表していた。5回結婚し、子供は8人いるという。日本映画にも関心を示し、黒沢明監督(故人)にも敬意を示していた。(読売)

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キネマ旬報で、かって「世界の映画作家」シリーズを出した。
その1巻に、当然ベルイマン監督もあった。
彼の生家、記憶違いがなれけば、牧師の家である。その辺も興味を引いた。作品にも、その影響は色濃く出ている、とおもわれる。数観ました。しかし、やはり、島国生まれで、神武天皇からの国の者ですから、難しい。これが北欧映画か。
「第七の封印」は監督が、後継で牧師になるか、素材というか、ネタというか、作りやすかったんでないか。それもこれも、牧師の家に生まれた、神の祝福なればこそ、とか。死神が黒装束で、遠征十字軍帰りの騎士とチェスするなんて。その盤を騎士が逆向きに置き換えるなどの脚本もウイット。
黒死病(ペスト)もあったから、てんこ盛り、でしょう。北欧の城主も聖地奪還の為に狩り出され、疲労の果に、死神に纏わりつかれ、免れなかった結末、ですね。
「野いちご」の方が、好まれる。
「沈黙」など、米映画「エデンの東」の姉妹版でないか、それも、ネガティブな。心理を知りたくて、凝視したものだ。難解ですね。観て、生きる希望が湧く映画、とは思えなんだ。監督も、どれが代表作で、失敗作だとは言わないだろう。そもそも失敗作など残そうとおもう作家はいない。名誉にもかかわる。作品とは百年も残るが故、よくもわるくも、作りし者の責任である。教育とか、福祉とか、医療とかとは違うようにおもわれる。現に、この監督、税金をもっていかれるので、居住地を移した、と聞いた。スウェーデンは福祉の国である。
この国の牧師が、参考に、この監督の映画を観るか、知らぬ。
しかし、映画は総合芸術で、ましてや劇映画は、美しい虚構でも通ってしまうのだから、評価の点が違う。俳優の演技だとか、衣装の美術だとか小道具だとか。数え上げたらきりが無い。記録映画でもなく、科学映画でもなく、教育映画でもなく、でも許される訳だ。
映画監督が、その作品で、己の哲学や信仰を語ってもいい。それに、脚本の共同執筆とか、原作の有り無しはどうか、はわからない。
いや、失礼。もう自分には、劇映画がよくわからないのだ。
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最近では、国境を越えた人びと、というと、ベースボール、が連想される。トルネードの野茂にはじまり、ランニングホーマーのイチロー、捕手の城島、ゴジラ復活の松井、そして『まさかの松坂』まで。
ケビン・コスナー主演「フィールド・オブ・ドリームス」という映画があった。観てないが、過去の伝説大リーガー役でバート・ランカスターが、農場の刈ったとうもろこし畑に幽霊として現れる話。それが、リアリズムならば、ところが、ホラーではないから、ごくふつうに登場する、らしい。
だから、米国では、ベースボールはかように身近で、日常的なのだ、と感じた。