かいふう

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地震列島、その34。新潟県中越沖地震、柏崎刈羽原子力発電所敷地内で「震度7」。

7月の新潟県中越沖地震の際、東京電力柏崎刈羽原子力発電所敷地内で、阪神大震災級の「震度7」の揺れが観測されていたことがわかった。

気象庁がこの地震で観測した最大震度「6強」を上回る強い揺れに直撃されていたことになるが、東電は震度の値を公表せず、国や地元自治体にも報告していなかった。

体感で震度を決めていた気象庁は、1996年以降、地震計で計測したデータから計算するやり方に改めた。この計測震度を10段階に分けて「震度」として公表、5・5〜5・9は「6弱」、6・0〜6・4は「6強」、6・5以上が最高段階の「震度7」となる。東電は、地表の揺れを観測できた3台の地震計データを処理し、7月末に震度を算出した。1号機の地震観測小屋で震度7(計測震度6・5)、5号機の地震観測小屋は6強(同6・3)、発電所に隣接したサービスホールは6強(同6・1)だった。

計測震度導入後、気象庁震度7を観測したのは、2004年の新潟県中越地震時の川口町(計測震度6・5)だけ。同庁作成の震度別被害状況の目安によると、震度7は「人間は揺れにほんろうされて自分の意志で行動できない。耐震性の高い建物でも傾いたり大きく破壊することがある」とある。同原発では今のところ、原子炉本体の深刻な損傷は見つかっていないが、発電タービンの羽根同士の接触や炉のふたを持ち上げるクレーンの損傷など、約3100件のトラブルが報告されている。

東電は、地震の波形や最大加速度などのデータは国などに報告したが、震度は伝えておらず、記者会見でも言及していない。「あくまで参考値で、原子炉などの安全性評価には無関係」(広報部)と判断したのがその理由。隠したわけではなく、市民団体などの問い合わせには、計測震度の数値を回答してきたという。(読売)