「このように、いつまでも存続するものは、信仰と希望と愛と、この三つである。
このうちで最も大いなるものは、愛である。」
コリント人への第一の手紙第一三章13
先日。ある事の為に、夜間ひとり、「歩く」を実行した。
外出を控える通達が出て。足腰を支える筋肉が衰えるを、少しでも防がんが為。
五月の緑の生垣等通は、空気も美味しく感じる。呼吸も軽い。
普段見慣れぬ家屋が並ぶは、表札に眼がいく。
とある、豪勢な造りの前で。見ると、如何にも、最近転居されたがように。表札が貼ってある。すぐ下に、譲った以前の家主のそれをば剥がした形跡がみられた。
それで、急遽越してきた訳はと、思案した。
その名字は、某新聞社の社長と同じ。
少年時、ある学年で、鼻水跡をぬぐいもせずに。顔を合わす、近隣に住む学友がいた。
どうも、新聞配達してるらしい。
その当時。クラスメイトや、その後のクラブ活動で。走るに速い仲間が、共に走ったりして。本人の口から出ずとも。新聞配達だな、と直感する彼らは、複数居た。
皆、一様に無口だ。
私も、別の配達をした。トラブルもあったが。180ミリ㍑壜、誰かが盗み飲む。
疑われて、辞めたが。後日、日数分の給与受け取ったので。容疑者が判ったらしい。
それで、その鼻水の彼。登校途中の踏切近くにアパート住まい。
配達してるは、見てない。
その真新しい表札の主が、想像が的を射てるか、確認していない。
しかし、毎度確率論者の私。想像が当たっていたら。
その理由、奈辺に在りや。業界の、怪奇は外しても。
複雑は、追っかける意欲。捨てがたいだろう。
仕事とは、おそらく、本人が何等かの希望を持っていなければ。
勤まるはずがない。
アーメン