かいふう

近未来への展望や、如何に。

「戦争と平和」

ここではトルストイの「戦争と平和」を挙げる。小説の醍醐味である。ひとりの作家が、これだけの登場人物を、情景を踏まえて、描写する、その力量に圧倒された。何が彼をそうさせたか。これも「?マーク」なのだ。
彼はクリスチャンである。この壮大な叙事詩歴史小説を、何故。ひとりの軍事天才が出現しヨーロッパからロシアの大地に侵入し、それでも祖国民衆の団結と{冬将軍}の猛威に撃退される。この小説の象徴的な場面がある。ナポレオンが主人公のひとりと出会うシーンである。勿論ここはフィクションだろうが、それを凌駕するだけの筆力に信頼して読者は読み進むのだろう。日本の[白樺派]に影響を及ぼし、「友情」、「暗夜行路」を。ああ、そうですね。自分は、トルストイアンではない。トルキスタンの国名は知ってるが。
同作者の「復活」は、物議を醸し出している。読んでない、ここまま終わるだろう。
しかし、「戦争と平和」はクリスチャンが書いた小説故、《虚構の宗教》のもどきに対してよき免疫にはなるだろう、とおもっている。