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「中国残留孤児集団訴訟」、名古屋地裁判決。

永住帰国した中国残留孤児が「中国に置き去りにされ、帰国後も苦しい生活を強いられたのは国の責任」などとして、国に1人当たり3300万円の損害賠償を求めた「中国残留孤児集団訴訟」のうち、3次提訴までの東海・北陸地方の原告に対する訴訟の判決が29日、名古屋地裁であった。

渡辺修明(のぶあき)裁判長は、孤児を早期に帰国させ、自立を支援する法的義務を国が負うと認めたが、「国の施策が著しく不合理だったとは言えず、義務違反はない」として、孤児や遺族171人全員の請求を棄却した。原告側は控訴する方針。

判決は、戦時中の満州(現中国東北部)への移民政策などの国策が孤児を生んだ原因だったと認め、早期帰国実現と帰国後の自立支援の双方について国に法的義務があることを初めて認めた。だが、早期帰国については「国は中国との国交回復以前も外交努力を払ったし、国交回復後も帰国のための施策を取っていた」、自立支援についても「不十分だったことは否定できないものの、不合理であったとまでは言えない」とし、いずれも「義務違反にあたらない」とした。

同様の訴訟は全国15地裁で提訴され、約2200人が係争中。大阪(05年7月)、東京(今年1月)、徳島(同3月)の3地裁では原告が敗訴している。(読売)