かいふう

近未来への展望や、如何に。

チャプリン著作権、東京地裁判決。

kaihuuinternet2007-08-29

喜劇王チャーリー・チャプリン(1889〜1977)の映画の著作権を管理している外国法人が、「黄金狂時代」など9作品の廉価版DVDを無断で複製・販売され著作権を侵害されたとして、東京都内のDVD制作会社2社に販売差し止めや損害賠償などを求めた訴訟の判決が29日、東京地裁であった。

清水節裁判長は、全作品について著作権侵害を認め、販売の差し止めと約1053万円の賠償などを命じた。制作会社側は控訴する方針。

判決などによると、2社は、外国法人の許可を得ずに、1919〜52年に公開された9作品をDVDに複製して全国の書店などに出荷。店頭では1枚500円で販売されている。

判決は、全作品ともチャプリンを著作者と認定した上で、「著作権の保護期間は著作者の死後38年間」とする旧著作権法の規定を適用し、全作品の著作権は2015年まで存続すると判断。さらに、そのうち47年公開の「殺人狂時代」と52年公開の「ライムライト」については、「保護期間は公開後70年間」とする現行著作権法の規定を適用した方が保護期間が長くなることから、保護期間をそれぞれ2017年と22年まで認めた。

その上で、判決は「2社の複製・販売行為は著作権を侵害し、原告に損害を与えた」とし、販売価格の25%相当をライセンス料として損害額を算定した。

制作会社2社の社長は「安い価格で販売しているのは昔のよい作品を多くの人に見てもらいたいからで、判決が確定するまで複製・販売を止めるつもりはない」としている。(読売)
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かって淀川長治さんが、チャプリンの映画上映会場で突然客席から立ち上がり、踊りだした、のは知る人ぞ知る逸話であるが、自分も若かりし頃、その自伝を購入した者のひとりとして、この件は無視できない。
喜劇とは何ぞや、と初心者が疑問を抱いたなら、理論書もあるが、『チャプリンの映画観れば』、で解決するだろう。何故なら、彼は喜劇王だから。彼は世界史を知っていたから。戦争の悲惨と絶望の奈落で、それでも民衆を鼓舞し励ましたから。時の独裁者に敢然と闘いを挑んだから。そして勝利の日、民衆と共にそれを喜び、平和を歩き出したから。
チャプリンの物真似大会に彼自身が出て、優勝を逸したという逸話も、喜劇を志せない人に、暗い人に、灯りを点したかも知れない。
先日、某TV局24時間番組でチャリティマラソンした日本の喜劇人。彼は、チャプリン自筆のサインを貰った数少ない人のひとりだ。
少年も若者も、この不朽の名画を、どうしても観てもらいたい。
免疫を造っておいてくれたまえ。サタンに魅入られた独裁者が、もう現れないという保証は誰ひとりしないのだから。
そして、その者が現れたと知覚を偽れない時、微力でも闘う気力が起きないなら、惨めを痛感するは本人だから。独裁者がこの地球を混乱と破壊へと蹂躙するをただ見過ごすだけなら、誰に見棄てられるか、わかるだろう。
喜劇王は、その努力のタレントをもってした。
あなたは、あなたのタレントをもって。
掲載は、日本公開時のポスター。