かいふう

近未来への展望や、如何に。

旧芸術座跡に、「シアタークリエ」がオープン。

俳優の森繁久弥さん、山田五十鈴さんらの名演で親しまれた東京・日比谷の旧芸術座跡に7日、東宝の演劇専用劇場「シアタークリエ」がオープンした。

芸術座は1957年4月に開館。劇作家で演出家の菊田一夫さんが「現代演劇の実験の場」と位置づけ、「暖簾(のれん)」「がめつい奴(やつ)」などの名作を生み出した。ビル建て替えのため、2005年3月、森光子さん主演の「放浪記」を最後に閉館した。

新劇場は、完成したビルの1階から地下3階部分で、611席。最新の照明、音響設備や直径9メートルの回り舞台を備えている。

この日は、こけら落とし公演「恐れを知らぬ川上音二郎一座」の脚本家、三谷幸喜さん、同公演に出演する女優の常盤貴子さんらがテープカットし、商業演劇の新たな拠点の誕生を祝った。 (読売)
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昔々、ここで、親のスネかじって、「雪国」の舞台を観劇した。作家役が中村吉右衛門さん、少女役が初々しい内藤洋子さん。そして芸者駒子役が、たしか若尾文子さんだった。大きい舞台ではないが、観客席の勾配があり、カーテンコールでの席を立っての拍手は、上階席のせいかジャンプ選手の気分であった。
そして、この棟の上階にある試写室で、貰った券で、五社英雄監督「出所祝い」も観たな。この会社、縁故採用だから、せいぜいファンの域でしか、中歩けぬが。
それで、そのどちらも無駄にせぬよう、後年、『トンネルを抜けると、そこは拉致被害地だった』と息巻いている。
同好会のひとりが、この会社に入社して、紙面で監督作品を載せたのには驚いた。南米ロケあり、ゴジラあり、数作品は知った。たしか中退までしての決断で、タレントある人は違うよな。哲学堂公園近くの駅で降車した際、彼らしき人影を見たこともある。何も映画界拒否されても、それなりの目利きはいる。共に仕事はしたい、とおもっても、それは生活が掛かっているのだから、取材とは違う。
後年、彼がある映画で、別動隊監督で名を連ねたのを観た時、胸にジーンと来ました。世間って、意外と狭い。
ある作品をつくるにしろ、桜餅つくるにしろ、どれもこれも、そのタレントが集まるからであって、そうでないものは弾かれる。
熱狂するファンもいるし、消費者もいる。大衆はまた時に冷淡でもあり、操作されもする。
林芙美子住居跡の記念館の門前も通り過ぎたけれど。