かいふう

近未来への展望や、如何に。

それでもエピ。ひとつの解けた懐疑、「星の王子さま」は自死で無い。

kaihuuinternet2008-03-16

某紙を開ける前に、同じニュースをオンラインで、ネットで読んでしまう。
眼に入ったのが、「星の王子さま」の著者を撃墜した、という記事だ。
これには、幾つもの驚きがあった。
ひとつ、サン・テグジュペリは、もしかしたら自死ではなかったか、という懐疑。もうひとつは、たとえ撃墜死されたとしても、その相手はもう見つからないであろうという、時間の経過。
そして更に、その証言者がなんと88歳という高齢者で、しかも逆算すると当時24歳の若い搭乗員。戦闘機はメッサーシュミット。この事よりも、彼が、サン・テグジュペリの作品を子ども時代に読んでいた、その事実。
つまり、44歳の作家の乗るP−38双発戦闘機を、眼下3Kmに見て、制空権から追い払う為に、攻撃して、撃ち落した訳だ。

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先年、同じ紙面で、サン・テグジュペリ搭乗の戦闘機が、アメリカ製P−38ライトニングと知って驚いたばかりだから。つい、少年時プラモでメッサーシュミットを作った者からすれば、戦闘性能の比較にカッカ来てしまう。
戦闘機の場合、搭載するエンジンと機体設計の、そのバランスでしょう。そういうタレントが合致しなければいけない。ならば、そういうタレントを持つ人材を発掘、登用して、総力戦の国難に対処させねばならぬ。そして、搭乗員の件に至る。
優秀なパイロットを訓練し、自信と闘志を持って、大空に飛翔してもらわねば。
日本の山本五十六元帥を撃墜し、双胴の悪魔と怖れられた同型機に、「星の王子さま」の著者も、軍務に服して、偵察飛行していた訳だ。

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「拝啓天皇陛下様」は、この作品で共同脚本を書かれた方が、後年、別の会社で、共同製作されたのが、幻の作品「暗い波濤」。阿川弘之原作でした。それに、公募したのですね、僕は。新聞で製作発表を知り、助手の形で再三出向きましたが、シロウトがキャスト組んでもねぇ。でも、彼の原作は、映画化しやすかった。記録文学という気質というか。最近、そのキャストに組んだひとり、西田健さんもテレビで視たし、頭禿げたけど、それは僕も同じだし。

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それにしても、陸続きの隣国、ジャン・ルノアールの劇映画の名作「大いなる幻影」のみならず、サン・テグジュペリの著作の数々もまた、国境を越えて翻訳され、敵国となった少年たちに読まれていたことになる。
ひとつの、もしかしたら自死ではなかったか、という懐疑が解けただけでも、安眠の糧となる。