かいふう

近未来への展望や、如何に。

 樺美智子(22)

イエス

やっと、当時の事件の真相を、捕まえる事ができた、と思われる。【死因】は、膵臓の破損、と頸部圧迫による【窒息死】。当時の状況も、参加した方々の証言によって、想像強く補完された。事故というよりも、やはり【事件】。真実を知ったからこそ、祈れる。ゴルゴダの丘磔刑になった方の【死因】を、この日記の記述者は、『失血死』でなくて、【窒息死】と扱っている。故に、彼女の真実を受け取り、共感する。過年、日没直前まで、同霊園に眠る幾多の故人を訪ねた。その折、彼女の墓も、確か最後であった、記憶がある。若くして、ご両親より先に逝かれたのであれば。その墓碑銘に[十字架]を見出す、は先ず無いだろう。【国難】と思って、訪ねた者にとって。彼女もまた同様にその時を、己の信条・信念を基にそう思って行動したのであれば。その時をくぐり抜けて。後年、有神論に至っても、何ら不思議ではない。個人は、その若き【死】を悼む。

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そうか。もう半世紀か。樺美智子さんが、国会周辺デモで事故死してから、50年か。探したら、彼女が二十歳前に書いた、詩が載っていた。許す、笑う、という二つの言葉が、そこにある。十代の終わりに、このような詩を書けるなんて。墓誌に刻まれて残っている。