かいふう

近未来への展望や、如何に。

井上員男展 くにたちギャラリーネットワーク 画廊岳及び2Fギャラリーコロンにて開催

江戸城

国立市JR国立駅南口下車徒歩数分、画廊岳で、井上員男展が2月4日(日)まで開催されている。延長された。1F展示窓には、熊本城の威容が、歩道を往来する人びとに、観られる。
それは先の、熊本大震災以前の城郭であって。国宝の名に相応しい外観と奥行きが見て取れる。ガラス入り口扉の向こう。数種の城郭を覗いて。それらが、別々の城であって。その築城以来の風景の歴史、戦国の世を生き抜いて来た厳然。
中に入り、その城を真ん前にする。臨場感が迫る。単色墨色というか。素地が白。前面に浮き上がって来る。例えば、小田原城。小さな城門がひとつなんだけれど。ここが破られれば落城、でも突破できそうにない。難攻不落で、秀吉の攻略時も耐え。家康も本拠をと思った程。行った事無い者にも、敵に困難を強いる、想像力を描きたてる。改修前の「白鷲城」すなわち姫路城。信州松本城。どれもこれも国宝。この技法の発明者本人の、現地対面しての勝負だから。見事に描写してる。購入する側の器量度胸も問われよう。
彼の作品。以前、都内光が丘美術館で、『版画平家物語』を観た。あの、「新平家物語」の吉川英治宅の近くに転居された経緯もあってか。その作風も培ってこられた。
本人の羽織袴、着物の奥様の丁寧な応対、身が引き締まりました。鎌倉から、連日の接待です。外階段から2Fギャラリーコロンでも「日本の城 井上員男展」が同時開催。姉妹画廊の同時展示という仕組み。数ある城と、花々。白から黒までのグレー、も含めての色調の多様さ、に気付かされる。